6PLY!これがVITALE BARBERIS CANONICO (カノニコ) の本気生地!
本日は店舗休みのため、自宅でPCをポチポチしてブログを書いている私、鳥形です。
明日から数日少し寒くなるようですが、徐々に春を感じさせる気温になってきてワクワクしますね。お昼間用事で少し出かけましたが、ジャケット&スラックスにタートルネックの装いでも快適に過ごすことができました。
最近、気に入っているスミスウールンズのボタニーのスーツです。これですね。
目付 (生地の重さ) が380~410gとスーツ生地としては非常にしっかりとしていて所謂仕立て映えする生地で、ラペルの返りなどシルエットが非常に綺麗。これは英国生地が得意としているところです。
そんな“重い目付”ブームな私がお勧めするイタリア生地が、今回のテーマです。
VITALE BARBERIS CANONICO (ヴィターレ・バルべリス・カノニコ)
VITALE BARBERIS CANONICO (ヴィターレ・バルべリス・カノニコ) といえば、イタリア最高峰生地ブランドであるゼニア、ロロピアーナ以上の知名度を誇り、同国No1の生産量を誇る高級生地ブランドです。
ミルと言われる紡績 (糸を作ること) から織り、仕上げ、検品まで一貫して行う織元です。織りの部分と同様に仕上げという工程も非常に大切で、生地の表情を決定づける工程でもあり、生地の個性を生み出すことでもあります。
バリエーション豊かな生地を作ることができるのも、カノニコの強みではないでしょうか。
様々な生地を作るカノニコの中から、最も英国らしいシリーズの一つが、6PLY(シックスプライ)、4PLY (フォープライ) です。
カノニコの6PLY、4PLY
英国生地の多くは双糸や2本取りといって、2本の糸を撚って1本の糸にしてから経糸、横糸に使用して生地を織りあげます。これにより生地にハリとコシが生まれていきます (1本の糸をそのまま使うのを単糸といいます) 。
対してイタリア生地の場合は、経糸双糸で横糸単糸のものが多いです。イタリア生地ブランドREDAが始めたのですが、これにより柔らかくソフトな風合いとなります。
では、4PLYとは?
お気づきの方も多いと思いますが、4PLYは2本ではなく4本の糸を撚って作ります。
いや、凄い。
これにより、さらなるハリとコシが生地に生まれるのです。それを上回るのが6PLY。
これは言わずもがな。
6本の糸を撚って作るのです (言うんかい!) 。
さらにこのカノニコのシリーズは強撚といい、強い撚りをかけて糸を作ることで、写真のようにねじっても元の状態に戻ろうとしシワになりにくいのが特徴です。
デイリーに使われるスーツなのであれば4PLY、堅牢なスーツをお求めなのであれば6PLYを選ばれるのが良いと思います。
シワに強く、仕立て映えしてきれいなシルエットをお作りできる。
カノニコがイタリア生地の中でも英国的といわれるのは、モノづくり能力の高さにあります。
スタート1か月程度で既に3名の方にお作りいただいていることからも分かるように、4PLY、6PLYは私の2021春夏イチオシのシリーズです!
追記:4PLYで仕立てるとこういったスーツが仕上がります。
【お客様のオーダースーツ】VITALE BARBERIS CANONICO (カノニコ) の4PLYスーツ
服好きな方は気に入っていただける生地です。全てのラインナップを掲載しておりますので、気になられた方はお問い合わせくださいますと幸いです。
カノニコ6PLY、4PLYラインナップ
6PLY
4PLY
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