スーツの小ネタ - フルハンドメイドオーダーの魅力について。

2024.08.29フルハンドメイドオーダーの魅力について。

姫路のオーダースーツ店EGRETでは、縫製をおこなう工房によってカスタム、クラシコ、フルハンドメイドとレーベルを分けています。どんな生地を使い、どの工房で縫製をおこなうかで仕上がりは違うものとなります。

カスタムとクラシコは、メイドトゥメジャーやイージーオーダー、パターンオーダーとも呼ばれる工房で、お客様の身体にあうベースの型紙から体型に合わせて修正をかけていくというプロセスを踏みスーツを仕上げていきます。パターンオーダーといっても数センチ程度の少しの長さしか変えられないものもありますが、当店の場合は長さや太さだけでなく、撫で肩や反り身といった体型のクセに合わせて修正ができますので、多くの方にご満足いただけるものを仕上げることができます。

スーツは受注生産さえすればオーダースーツと呼べますが、実際におこなっていることや仕上がりは店舗によって様々です。既存の型紙から修正をかけるパターンオーダーなのにフルオーダーと呼んでいる場合もあるので注意が必要です。

そのうえで当店のフルハンドメイドオーダー (フルオーダー) とはどういったものなのか？といいますと、一から型紙を起こし特殊な操作も可能とし手縫いによる縫製をしたものになります。

縫製面での一例としては、このようなカーブを描く玉縁ポケットは、ミシンでつくるのは相当に難しくなり手縫いならではのディテールです。良い洋服かどうかはいかに身体に合わせて丸くできるかにかかってきますので、フルハンドメイドによって洋服全体の丸さを実現していきます。

仮縫いをはさむとフルオーダーかというと、それも間違いです。パターンオーダーであっても特殊な体型の方の場合ベースの型紙から大きく離れてしまうため、仮縫いをおこなう場合もあります。あくまでも一から型紙を起こすこと、特殊な型紙操作が可能なことがフルオーダーの条件だとEGRETは考えています。

これは現在作成中のもので、衿の幅からボタン間隔まで細かく設定して仮縫いしたベストです。パターンオーダーの場合、ベースの型紙から大きく変える操作は難しいですし、バランスが崩れてしまいます。制約なく、型紙を作成できるのはフルオーダーならではです。

パンツも、ハイバックといい大きく後股上を上げた仕様にしています。サスペンダーで吊るための昔ながらの仕様であり、よりベスト丈を短く設定するのが狙いです。サイズ面でも細かく修正をかけ、職人による手縫いによって仕上げられていきます。ミシンを踏めばものの数分で縫える箇所も、何十倍の手間暇をかけて手で縫うことで丸くふくらみのあるシルエットに仕上がっていきます。

いかがでしたでしょうか。フルハンドメイドオーダーの魅力の一部をご紹介いたしました。こちらのスーツは仕上がり次第、ブログでご紹介してまいりますのでご期待ください。

EGRETでは秋冬の新作服地がほぼほぼ入荷をいたしました。兵庫県姫路市で拘りの洋服をお考えの際には是非一度お問い合わせいただけますと幸いです。