どこまで拘る、手縫いの妙。クラフトマンシップを感じさせるディティールについて。
6月に入り、夏を感じさせる日差しになってまいりました。季節の変わり目は体調を崩しやすいものですので、どうかご自愛ください。
さて、仕立ての世界は仕上がりまでに最低でも1カ月程度お時間がかかります (フルハンドメイドでしたら4カ月以上) 。
お直しなどは手縫いの方が融通が利きやりやすいのですが、一から手縫いとなると途方もない時間がかかります。強度という意味ではミシンの方が強いですし、良く見ると不揃いになるのも手縫いです。縫製ではデザインの部分、着心地の部分と分かれますので、どこにハンドを加えるかというのもお迷い頂くポイントになってくるかと思います。人によってはミシンだけで仕上げた方が、合っているという方もいらっしゃいます。
私は手縫いの味わいが好きなので、フラワーホールの部分は必ず手縫いですし、ものによってはボタンホールやピックステッチを手縫いで仕上げたものも所持しております。
手縫いのフラワーホール。イタリアの古くからある伝統技法で、芯を中に入れて立体的に作成しています。
こちらはボタンホールを手穴で仕上げたもの。手で縫うので、ミシンで作ったものよりもふくらみがありやや不揃いなのが分かります。
通常、AMFというミシンで仕上げるステッチを、手で施したもの。細かくプツプツと入っており、0.5ミリ程度のコバで仕上げています。
他にも、本襟掛けといい手で上衿をまつっていく事で首への吸いつきが増していくという工程もあります。上衿とラペルの間のゴージラインがカーブしているのも手縫いならでは。
SOLAROでスーツを作る件
自分用に買っていた生地がありまして、SMITH WOOLLENSのSOLAROでございます。ベージュで作成したダブルのスーツは先日ご紹介しましたが、仕上がりがとてもよく、所謂仕立て映えする生地です。それのネイビーVerでして裏側 (緯糸) が明るいブルーで、光に当たると薄っすらと浮かび上がるのがSOLAROらしい風合いです。
目付も355gとしっかりとしており、秋口からの着用に向けてスーツに仕立てていきたいと思います。どこまで手縫いを入れてお作りするかはこうご期待。
良い生地を見ていると仕上がりを想像してニヤニヤするのは私だけでしょうか (私だけですね) 。拘りの洋服をお考えの際には、是非一度お問い合わせいただけますと幸いです。
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