【フルハンドメイドオーダー】手縫いだからできる特徴的なシルエットの出方
【休業日のお知らせ】誠に勝手ながら7/4 (月) ~ 6 (水) の3日間、店舗を休業いたします。ご来店予定だったお客様、ご予約がとれず申し訳ございません。
7日(木)11時から通常営業再開いたしますので何卒よろしくお願いいたします。
さて、本日のブログにまいります。
当店は姫路のオーダー店として、カスタム・クラシコ・フルハンドと3つの工房を使い分けしてお客様の洋服を仕立てております。お客様のご要望に沿って、どういったシーンでどういう見られ方をされたいのか、生地や工房を組み合わせて様々なご提案をすることができます。
その中でよくお問い合わせを頂くのが、フルハンドレーベルって何が違うの?という点です。
カスタムとクラシコレーベルはメイドトゥメジャー (パターンオーダー) であり、サイズサンプルがありまして、実際に着用いただいて事前に体感していただく事ができますが、フルハンドレーベルの場合、44・46・48といったサイズ記号の概念がないため、分かりにくいというお声もいただきます。
『一から型紙を起こして、全て手縫いで仕立てている』、と聞くと何となく良いイメージがあるお客様も多いと思いますが、どう違うのかを数回に分けてご紹介してまいります。
前回は、ジャケットのディテールについてご紹介していますので、まだ見られていない方は是非ご覧ください。
フルハンドメイドオーダーは何が違う?~ジャケットのディティール編~
本日はシルエットの出方の特徴についてです。
男性も曲線で身体は構成されている
当たり前の話ですが、女性ほどでは無いにしろ男性の身体も曲線で出来ています。その曲線に対して平面の布に対して“ダーツ”とクセ処理を使用し立体に仕上げていきます。ダーツとは布と布が縫われている部分にも含まれており、ざっくりというと洋服に入っている縫いの線は全て洋服を立体にする為に存在しています。
ミシンは直線を縫うことに関して強みを発揮しやすいですが、大きくカーブした曲線を縫う事や、布の状況を見ながら縫う事に関しては手縫いに軍配が上がります。
そこで、本日のこの画像。
ハンガーに掛けている状態なので、⌒⌒ ←こんな感じに真ん中がヘコんでしまっていますが、カーブの具合が見て取れます。スーツには毛芯というアイロン接着でなく糸で縫い付けた芯地が入っており、胸のふくらみの立体感を作り出すうえで大切な副資材です。これをマシンで付けてしますと平面的になりやすく、手縫いとの差が出やすいポイントです。
着せてしまうと分かりにくくなりますが、より胸の丸みがでやすいのはフルハンドならではといえます。他の部分においてもより丸さが出るのが魅力です。
この立体感を拘るか否か、それがフルハンドとクラシコ・カスタムの選び方の基準の一つでもあります。クラシコ・カスタムが悪いわけでは決してないのでお間違いなきようによろしくお願いいたします。あくまでもどういう洋服を作られたいか?でございます。
姫路で拘った洋服をお探しの方は是非一度お問い合わせください。お話だけでも大歓迎です。
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