ガラスレザーのケアにはコードバン (馬のお尻革) 用クリーム【M.MOWBRAY モゥブレィ】
ガラスレザーという革を聞いたことがありますか?
名前自体は知らずとも、一度は目にした事がある革だと思いますので、特徴とお手入れ方法についてご紹介をしていきます。
ガラスレザーは、最も有名な国産靴メーカーであるリーガルが得意としている革であり、表面に樹脂状の膜を作ることで、均一な光沢感と防汚性を高め汚れにくいという特徴があります。
革表面が綺麗で、基本的なお手入れが乾拭きだけと簡単な事もあり、ビジネスマンから初めて革靴を購入する方まで幅広く人気の革です。
しかし、このガラスレザーの革靴の手入れには大きく分けて2つ注意点があります。
①手入れが簡単ゆえに手入れをしない事
②擦り傷に弱い事
①について。卵が先か鶏が先かの話にもなってきますが、お手入れが簡単だからこそ、お手入れが苦手な方やケア方法を知らない方が手に取りやすいです。その為、購入からほとんどお手入れをしない方も多く、残念な状態になっている革靴もあります。
手入れ不要な革靴は存在しないので、Tシャツの切れ端で問題ありませんので乾拭きをお勧めいたします。
②について。樹脂コーディングがされているので、汚れが付きにくく取りやすいのですが、唯一擦り傷に弱いという特徴をもっています。
そんな時にどうするのか?
今回のメインの話題に移ってまいります。
ガラスレザーのお手入れにはコードバンクリームレノベーター
基本的なお手入れは、乾拭きで良いとお伝えしましたが、擦り傷や補色をする場合は今からお伝えするケアをお勧めいたします。
使用するのは、M.MOWBRAY (モゥブレィ) というメーカーのコードバンクリームレノベーター、馬毛ブラシ、汚れ落とし、Tシャツの切れ端の4つです。
コードバンクリームレノベーターは、コードバン (馬のお尻部分を使った希少革) 用に作られたクリームですが、質感が似ているガラスレザーにも効果のあるクリームなのでお勧めです。
(1) 汚れ・ホコリ落とし
馬毛ブラシで靴に付いた汚れ・ホコリをかきだして、落としていきます。
コバと呼ばれる、アッパーとコバの間や、切り替えし個所は特に汚れが溜まりやすいので重点的にブラッシングしてください。
(2) 汚れ落とし
ブラッシングで取り切れない古いクリームや汚れを、クリーナーを使用して落としていきます。
コーティングされているガラスレザーだからと、強くこすり過ぎないでください。
(3) クリーム塗布・ブラッシング
最後に、コードバンクリームレノベーターを使用していきます。
ガラスレザーは経年変化をする革ではありませんが、コードバンクリームレノベーターを少量で薄く塗布していき、最後にブラッシングをかける事で艶感が蘇っていきます。
以上となりますが、基本は乾拭きのみのケアで擦り傷や補色が必要な場合は本日ご紹介したケアをお試しください。
製品情報:コードバンクリームレノベーター 1650円 (税込)
特徴:コードヴァン(コードバン)の補色・栄養・ツヤ出し、ガラスレザーの補色・ツヤ出し <ブラック、ニュートラル (無色) 、ダークブラウン、ミディアムブラウン、ライトブラウン、ボルドー、ネイビー (全7色)>
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