そうだ、洋服ブラシでスーツをケアしよう!スーツのお手入れは基本これです。
姫路のオーダースーツ店EGRETの鳥形です。
皆さん、スーツのケアをされていますか?
スーツのケアは毎日しておくことに越したことはありませんが、忙しいビジネスパーソンにはそれが難しい、、、という方もいらっしゃると思います。土日お休みであれば平日使ったスーツを、休日にケアしておくことで長い年月ご着用いただけるようになりますので是非最後までご覧ください。
保管方法とケア方法
保管方法のポイントは3つ。①スーツに合ったハンガーを使い、②湿気のたまらない日陰で、③最低2日程度 (雨に濡れたら+1日程度) 休ませることです。
それぞれを解説していきます。
クリーニングに出した後にもらえるような厚みのない細いハンガーは、スーツには良くありません。人の形に合わせて厚みのある肩に作っているスーツを細いハンガーにかけると、ハンガーの形にあわせて偏ったテンションがかかり、生地が伸びたり型崩れが起こったりします。
それを防ぐために厚みのしっかりと取ったハンガーを使うこと、肩幅もスーツに対して大きすぎたり小さすぎるものは選ばないことが、保管の基本となります。
スーツに通常使用されるウールは天然繊維であり、虫食いされる危険もあります。虫は美味しい生地から食べると言われているので高級品であればあるほど餌食になりやすくなります。
湿気のたまらない日陰で保管することで、虫食いやカビ、日焼けを防ぐことができます。
スーツを着用すると身体に合わせようと生地が伸びたりシワが入ったりします。所謂型崩れの状態ですが、ウール素材には復元力といい、仕立てた状態に戻ろうとする作用が働くので、休ませる期間を取ることにより美しいシルエットがよみがえります。逆にこの期間を取らないと、ヨレヨレのスーツのままみすぼらしくなっていく原因となります。
1日着用したら2日程度休ませる、つまりはシーズンで3着のスーツをローテーションさせていくのが長持ちさせる秘訣になります。これらは時間を取るものでもないので是非日々意識して実践してみてください。
続いて、ケア方法について。
ケア方法は洋服ブラシによるブラッシングが基本です。
ポイントは、下から上に一度汚れを書き出すようにスナップを効かせてブラッシングした後に、上から下に毛並みを整えるイメージでブラッシングをおこなう事です。
衿の裏や、ダブルの裾部分にホコリや汚れが溜まりやすいので掻き出してあげてください。
ホコリっぽい部屋をイメージしていただくと分かりやすいですが、ホコリが水分を奪い乾燥しやすくなっている状態なので念入りに。これだけでスーツの持ちが全然違うのでお試しください。
後、洋服ブラシに関しては固すぎる毛のものはNGで、しなやかな馬毛のものを選んでください。カシミア用等と書かれていたら問題ないかと思います。
姫路のお隣、加古川市に居を構えられているショージワークスさんのものを店主は自宅で使っていますが、使いやすくお勧めです。
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