【姫路のスーツ屋の仮縫い】お客様のより良いサイズを目指してお作りします
オーダースーツは採寸をしたデータを元にお作りしますが、その際フルオーダーでなければ、ゲージサンプルと呼ばれる見本服をご着用いただきサイズの確認 (肩傾斜や、猫背具合など事細かく) をする事が多いです。
オーダースーツに慣れている方はご存じな事ですが、オーダースーツは1着目よりも2着目、2着目より3着目と着心地の精度が上がっていきます。1着目が90点なら、2着目は95点、3着目は、、、という具合に。
いかに1着目から高い精度を実現させていくのかが、フィッターとなる私たちの腕の見せ所ですが、どんなスーツ屋も100点満点のスーツを1着目から作ることはかなり難易度が高いです。
皆様こういった経験はないですか?
洋服屋さんで鏡の前に立ったとき、いつもよりも背筋が伸びていたり、胸を張ってしまったり。普段楽にしている格好とは別の姿であることが多いです。
スーツ屋での採寸の際も同様。いつもより胸を張った姿に100%あったスーツを作れたとしても、いつもの体勢に戻ると90%になるという場合もあります。フィッターの腕、いつもの体勢、様々な要因が重なるので、1着目から完璧なものが作れます!という事を、私は決して言わないようにしています。
だから、オーダースーツは徐々にフィット感を増していくという話が出てくるわけです。
仮縫いの状態で少しの時間過ごしてもらう
当店はオプションにはなりますが、仮縫いを挟むことができるオーダースーツ店です。
仮縫いの意味合いとしては、上記の要因を少しでも改善して、よりご満足いただけるようなフィット感を“1着目”から実現させるためにおこなうためです。仮縫いを着た状態で椅子に座っていただいたり、動いていただいたり、少しの時間を過ごしていただくのはそのためです。
いかに普段と近い体勢をとっていただくかが、仮縫い成功のカギにもなってきます。
胸が反るとどう変わるのか?
皇室御用達の仕立屋、金洋服店の服部晋さんは修正の半分以上は反身か屈身によるものだと言われています。
反身、屈身というのは、胸が反っていたり猫背であったりする本来の姿勢の事。
胸が反っている人を想像して欲しいのですが、反っている前側の方が洋服の長さは長くなりますよ。反対に背中側は短くなります。
背中の中心辺りに地面に対して平行にシワが入っていたり、ベントが開くのは反身による影響の可能性が高いです。それを解消させるために、前身を長く、後身を短く作る必要が出てきます。
普段の体勢であればシワがでないのに、鏡でいつもより胸を反らせると、反身の症状があらわれる場合もあります。それらを加味してお作りしてこそ、100%に近づいていくのです。
また、別途オプションになりますがオリジナルのラペルデザインをお作りする事も可能です。お客様が思う衿の形にラインを引いていただいてそれを実現させます。
( 基本は同じ布で仮縫いをおこないますが、コットンだったりリネンだったり針孔が残りやすい生地の場合は、シーチングと言う別布で仮縫いをおこないます。生地の用尺の関係で別布を使う場合もあります。 )
仮縫いは2P (ジャケット+スラックス) で28,600円(税込)~ 、期間は +3週間程度かかってまいります。
当店はゲージサンプルも数多くご用意しておりますので、基本的には仮縫い無しでお作りしております。イメージ的には90%の物を95%に持っていく工程だと考えていただき、2着目をお作りいただいた際にはこの仮縫いを挟んだものと同等のものが仕上がってきます。
それらを加味して、ご予算やスーツのイメージに合わせてご検討いただけますと幸いです。
フルオーダーやオーダースーツの種類について知りたい方はこちらのブログも是非ご覧ください。
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