鳥形の私物紹介 - 【ネイビースーツ】6年を経て、自分のために仕立てた一着 ～英国製マットウーステッド 300g/m ～

2025.11.08【ネイビースーツ】6年を経て、自分のために仕立てた一着 ～英国製マットウーステッド 300g/m ～

気づけば、今年の9月で姫路のオーダースーツ店EGRETが7年目となりました。

4年後の10周年に向けて、そろそろお客様同士交流していただけるような、催しを開催しようかと計画しておりますがどうでしょうか?

あまり大人数ではなく、おしゃれをして、美味しい食事を楽しみながらゆったり過ごせるような雰囲気をイメージしています。「参加してあげてもいいよ!」という心優しい方は、ぜひ鳥形までお声がけください<(_ _)>

さて、今回のブログは自分用に仕立てたスーツのご紹介です。

節目というわけではありませんが、5年、6年と店舗をやってきて自分自身成長する部分が大きくありましたし、趣向も変わっている部分もあります。そんな自分が今仕立てるならどんな一着だろうかと考えたスーツです。

選んだのは、ダークネイビーの無地。初めてご来店いただくお客様にもよくご提案している定番の一着ですが、やはり自分にとっても原点の色です。

様々なダークネイビーの中から選んだのは、英国製300gのマットウーステッド。ツイルやサージのように斜めの織り目が立つ生地ではなく、繊細で奥行きのある質感を持つこの生地を選びました。その落ち着いた風合いが、イタリアンクラシコの柔らかな雰囲気を一層引き立ててくれます。

特別に高番手というわけではありませんが、仕上げ工程に工夫が施されており、触れたときの滑らかさと深みのある色艶に惹かれました。

シルエットは、たっぷりとゆとりを持たせながらも流れるようなラインでスタイル良く見える、EGRETらしいバランスに。

お客様にもよくお伝えしていることですが、“細く見えるスーツと“寸法が細いスーツ”はまったくの別物です。長く愛用していただけるよう、生地に無理なテンションがかからないサイズ設計、それがEGRETの特徴でもあります。

デザイン面では、裾まで伸びるダーツやダブルステッチ、柔らかな肩など、ナポリの空気感とジャパニーズテーラリングをミックス。スーツの格式を高めるなら三つ揃い (ベスト) は欠かせませんが、同時に軽やかに着られることも意識しています。

華美すぎないようには意識していまして、近づいて気づくほどの控えめな違い。それでも、纏っている本人としてはその小さな違いこそが満足感に繋がります。そうした“わかる人にはわかる”奥ゆかしさも、洋服の楽しみ方のひとつだと思います。

この6年間、数えきれないほどのお客様にスーツをお渡ししてきました。その中で、自分自身の装いに対する考え方も少しずつ変化してきたように思います。

派手な個性よりも、静かななかでの強さ。“10年先も色褪せない装い”、当初より掲げているEGRETの想いが一層強くなったように感じます。そしてまたこの一着を着ながら、次の洋服づくりに向かっていこうと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。