6カ月待ちで仕上がった一足。イノシシとスウェードが織りなす異素材の調和がとれたオーダーシューズ

5月に発注していた自分用の靴が、ようやく仕上がってきました。
当店のオーダーシューズは、本来であれば3カ月ほどでお渡しできるのですが、現在はご注文が立て込んでおり、納期も約4カ月に延びてしまっています。お客様の靴を優先しているうちに、自分のものはつい後回しに。結果として、今回は半年待ちとなりました。
他店でオーダーした靴は3年ほど待ったこともあるので、待つことには慣れております(笑)。先日、2年待ちだったバッグもようやく仕上がったそうで、そちらも受け取りの際にまたご紹介できればと思います。
それでも、靴の箱を開ける瞬間にはやはり胸が高鳴ります。職人の丁寧な手仕事が伝わってくる、そんな一足に仕上がっています。
日本イノシシと英国スウェードのマリアージュ


今回製作したのは、ジャケパンスタイルに合わせるための一足。素材は少し珍しい“イノシシ革”と“英国スウェード”の組み合わせです。
イノシシ革は毛穴やシボの表情が荒々しく、野性味の中に独特の艶を宿す素材。一方で英国スウェードは毛足が短く、光の当たり方によって陰影が美しく変化します。
“無理やりマリアージュと言いたかった説”は置いておいて(笑)、この対照的な二つの素材を組み合わせることで、上品さと遊び心が同居した一足に仕上がりました。



うちのオーダーシューズの特徴でもある美しくくびれたウエストはそのまま、スポーティな印象の靴です。
秋冬の装いとしては、ベージュのフランネルスーツにニットを合わせたスタイルや、ブラウンのトラウザーズを基調としたジャケットスタイルの足元に合わせる予定です。


この日はウールリネンのブルーのスーツに合わせていますが、やや足元が浮いてしまい、一般的な梳毛系のスーツとは相性がよくないことが分かります。
靴をベースに“装いをどう楽しんでいくか”を考えるのも、私にとっては至福の時間です。この靴に合わせて、春夏にはベージュのヘビーオンスのリネンでスーツを仕立てても良いかもしれません。妄想が膨らみます。
納期が延びている当店のオーダーシューズではありますが、そのぶん一足一足にしっかりと手間をかけ、クオリティを追求しています。
“長く愛せる靴を作りたい”という想いのもと、確かな技術でお届けしていますので、こだわりの装いをお考えの際には、ぜひ一度お問い合わせいただけますと幸いです。
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