【SAVILE CLIFFORD】サヴィルクリフォードの春夏の顔といえるウールリネン (但し分厚い) でスーツを作りました。

楽しみにしていた私物のスーツが仕上がってきました。使用しているのは、1899年創業で、英国ハダースフィールドに拠点を持つSAVILE CLIFFORD (サヴィルクリフォード) のウールリネン生地です。ウールリネンなので一般的には春夏のイメージが強いかと思いますが、目付は420gと秋冬生地でもあまり見ないしっかりとした目付 (分厚さ) があります。
それでいてキャバリーツイルという乗馬用のパンツに使われていた織り方を採用しています。キャバリーツイルは、経糸の量が多く、綾目が急角度になっており強度が非常に高い特徴を持ちます。それをウールリネンでつくるという特殊性に惹かれ、生地の展示会で着分を購入しました。
カラーはアイボリー、ベージュ、ネイビー、ブラウンとあり、私は王道のネイビーを選びました。アイボリーやベージュなどはトラウザーズとしても重宝しそうです。ややスポーティなこの生地は汎用性が高く、スーツとしてもオッドジャケット、オッドトラウザーズといった単品使いでの活用もしていただけます。
仕上がりはこちら。見るからに堅牢なスーツで、手に持つとずっしりとした重量感があります。これまで400gまでのスーツは持っていましたが、今回のスーツはついに420g。記録更新です 笑。
着用すると、生地の重さが首から肩に分散されるため、意外と軽く感じます。仕立ての良いスーツは流れるようなシルエットの美しさだけでなく、着心地も良くなります。
生地に分厚さがあること、キャバリーツイルという織り方の特性で、一般的なリネンよりもシワが付きにくいのですが、1日着用すると可動部分である袖や膝裏に大きなシワが入ります。しかし、この荒々しさこそがこの生地の魅力。使い込むほどに味わいが増し、経年変化を楽しめるスーツに仕上がりました。これからどのように馴染んでいくのか、楽しみです。
こういった趣向性の高い素材で洋服を仕立てれるのもオーダーの魅力であり、当店の10,000種類以上という取扱い生地量の多さが活きてくる部分です。兵庫県姫路市で、こだわりの洋服をお考えの際には是非一度お問い合わせください。
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