【BESPOKE】手縫いによるオーダースーツのご紹介。
8月にブログでアップしていた自分用の仮縫いスーツ。修正を加えて仕上がってまいりましたのでご紹介いたします。当時のブログはコチラから。
まずはディティールから見てまいります。段返り三つ釦でクラシカルな仕様のジャケットに、ベストは襟付きのダブルブレストです。
段返りのボタンホールも美しいです。手縫いでボタンホールを作る場合、先に穴を開けてから糸をかがっていきます。後から穴を開けるものよりも糸の飛び出しが抑えられより美しい仕上がりとなります。
バルカポケットはMTMのものよりもカーブを効かせて、腰の玉縁ポケットにいたっては細くカーブを描いたこれまた手縫いの妙が分かりやすいディティール。0.5mmを狙った手縫いのピックステッチも不揃いで、味わい深い仕上がりです。
ダブルブレステッドのベストは打ち合いを広く取ったもの。昔の紳士が描かれた絵のならオマージュして型紙を起こしました。BESPOKEの場合、パリコレクションに出ているような奇抜なものを除き、基本的にはイメージに合わせて型紙をお作りする事が可能です。
トラウザーズも後股上を極端に上げたハイバック仕様にて作成しています。
こちらの画像が着用したもの。BESPOKEならではの身体に吸いつくようなフィッティングです。
後から気付きましたが、撮影時にベストの内側のボタンを留め忘れ、下前が下がってきております。お見苦しい姿で申し訳ございません。
使用している生地はHARRISONS (ハリソンズ) のPREMIER CRU (プルミエクリュ) 。目付330gと3シーズンで使いやすい厚さとしっとりとしたラグジュアリーな雰囲気を醸し出す名品です。
ベストの着用感も良く、気に入っております。
ハイバックのトラウザーズがこちら。お見苦しいお尻で度々すみません (笑) 。ハイバックのメリットは包み込まれるフィット感と、ベスト丈をかなり短くすることができることにあります。もう少し短くできそうなので、時間を見つけて自分でお直ししておこうと思います。
いかがでしたでしょうか。EGRETのBESPOKEで作成したスーツをご紹介いたしました。MTMでもかなりクオリティの高いスーツをお作りいただけますが、さらにオリジナルの一着をとお考えの際には一度ご検討いただければと思います。
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