スーツの小ネタ - 【MTM (パターンオーダー) の補正方法】シワを読み取って格好良いスーツを作る。

2024.04.29【MTM (パターンオーダー) の補正方法】シワを読み取って格好良いスーツを作る。

姫路のオーダースーツ店EGRETでは、一から線を引き型紙を起こすビスポーク (フルオーダー) と、お客様の体型に最も合う型紙から修正をかけていくMTM (パターンオーダー) の2種類をご用意しております。一から作るか、有り型から作るか出発点の違いです。よりお客様の体型に合わせてお作りできるのはビスポークではありますが、MTMであっても精度高く格好良い洋服をお仕立て頂けます。

メジャーで測ったお客様の寸法をもとにビスポークであれば仮縫いで、MTMであればサイズゲージサンプルを着用して頂き、修正・補正を行っていきます。メジャーで測っただけでもある程度の形をお作りはできますが、実際にはお客様の身体とのギャップが生まれ仕上がりの精度は低くなります。シワのない洋服は着ていて快適ですので、いかにシワを消し、かつ格好良く見えるシルエットをお作りするかが我々オーダー屋の腕の見せ所です。

身体が反っているか (反身) 、猫背気味か (屈身) は人によって大きく変わり、補正を入れる必要があります。反身の方はヒップが足りているのにベントが開き、屈身の場合はフロントボタン付近にX状にシワが生じるといった不具合が起こります。

上の写真は、反身の補正をピン打ちしたもの。

反身の補正は、前身頃に比べて後身頃が長い場合に対して行い、ピンを打つことで疑似的にいくら分量が必要かがわかってきます。洋服とお客様の身体とのバランスな為、着用して初めて明確に分かるものです。

ジャケットの場合、まずはこの補正を行った後に、撫で肩なのか怒り方なのか、襟は抜けていないか等々チェックをかけていきます。長さや幅だけ修正していくのがオーダースーツではありません。体型のクセによるシワを読み取ることで、寸法が小さくても着心地が良くスタイル良く見える洋服となります。

EGRETが目指すシルエットは、上から下まで流れるように落ちていくものです。どのお客様も大変綺麗です。

美しく快適にご着用頂ける拘りの洋服をお考えの際には、是非一度お問い合わせいただけますと幸いです。