2泊3日の出張に適したスーツ生地をタイプ別にご紹介。~式典などある場合はこういう生地~
自分に合った洋服を作る上で大切なのは、ご自身の着用シーンを考える事です。着用シーンに合わせてどういう見られ方をしたいのか、どういう風な着用のされ方をしたいのか当店では事前にお伺いさせていただきます。
普段あまりスーツを着用する事は少ないけれど、出張の際や式典等でご着用するというお客様も少なからずいらっしゃいます。本日のテーマは2泊3日のスーツに適した生地をご紹介していきます。
2泊3日というのがポイントでして、1泊2日の出張であれば多くの方は同じスーツをご着用されるでしょう (店主のような変わり者は1泊2日でも2着持っていきます笑) 。多くの男性はなるだけ荷物を少なくしたいと思われでしょうから、2泊3日でも出来たら同じスーツを、、、と考えられるのではないでしょうか。
そういった時に、着用ジワは気になるところ。店主のような変わり者はスチームアイロンをフロントで借りるでしょうが、一般的にはそのまま着用するかと思います。シワに強く、へこたれない生地をタイプ別にいくつかご提案いたします。
クラシカルな分厚い生地
一般的に生地は分厚ければ分厚いほどシワにも強くなります。そこで目安となるのが目付 (めつけ) という単位。150cm×100cmの重さの単位で、この重さがほぼほぼ厚さに繋がっていきます(甘く織り上げた場合は目付が小さくても分厚くなる場合も有り)。
250g以下の薄手のものよりも400g近い生地のほうがシワに強くなりますので、ビジネスマンにとってお勧めな3つのシリーズです。
当店のブログをご覧になられている方は、またかと思われるであろうHARRISONSのOYSTER。次にご紹介する同グループBOTANYとともに普段から出張使いまで汎用性高くお使いいただける目付400gの分厚い生地です。分厚いといいながらも、打ち込みがしっかりとしていますので、初夏から夏を除き着用頂けます。
OYSTERよりもややクラシカルな印象のBOTANY。奇をてらわない実直な生地は、同グループCEOが最も好む生地と聞きます。店主もイチオシなスーツ生地コレクションです。
イタリア製生地でありながら、縦横双糸の目付360gと英国の雰囲気のある質感が特徴的なSTYLBIELLAのKNIGHT。色柄使いがモダンで、あまり見ない配色のシリーズです。少し人と違う生地をお選びになられたい方にお勧めです。
軽やかに着用する強撚糸シリーズ
分厚い生地が出張に適しているとお伝えしておりますが、暖かい気候の際はあまりに分厚いと着用しづらくなるものです。そういった場合等強撚糸といい、強い撚りをかけたものは反発してもとに戻ろうとする作用があり、シワに強くなります。軽やかにご着用されたい場合はこれら3つのシリーズはいかがでしょうか。
フランスはDORMEUILの名作TONIK。強撚によるシャリシャリとした質感で、マットな色味と合いまり軽快なスーツをお仕立て頂く事ができます。
同じくDORMEUILのTRAVEL RESISTANCEは、ナチュラルストレッチと撥水性、抗菌 (防臭効果有り) 作用のある機能性服地で、バンチ表紙のマークからも分かるように自転車に乗る事さえ想定されています。
式典映えするエレガントなシリーズ
出張であっても、式典や晴れの場があられる場合には、エレガントな綺麗な艶が出ているシリーズもよろしいかと思います。一般には艶があるものは糸が細くシワになりやすい傾向がありますが、糸を細くしすぎず別のアプローチで艶を出す事で、使いやすさと見た目の表情を兼ねています。
ZEGNAには、TRAVELLERという名前からして出張向きそうに聞こえるシリーズがありますが、目付は260g程度のものが多く、シワになりづらさという点において目付310g程度のELECTAの方が出張向けに思います。加えて仕上げ工程で毛羽立ちを抑える事で綺麗な艶感が生まれています。
目付340/360gとしっかりとした厚さがありながら、綺麗な艶をだすQZ2。Super150'sという極細原毛をあえて太い糸にして織り上げるラグジュアリーなシリーズです。
いかがでしたでしょうか。出張の多い方などは、目付や織り方にご注目頂き生地を選んで頂けますとよりお自身にあったスーツを作ることができます。
小ネタとして、出張のホテルに帰られてスラックスをハンガーにかける際は、クリース線を揃えて裾の方をパンツハンガーのクリップにかけて逆さまに吊るのがお勧めです。これにより膝裏等の着用ジワ改善に効果があります。
出張が多く、拘りのスーツをお考えの方は是非一度お問い合わせいただけますと幸いです。
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