【クラシコレーベル】縫製工房の展示会にお邪魔してきました。
4月10日に店舗を休業し姫路のオーダースーツ店EGRETのスーツを縫ってもらっている工房にお邪魔してきました。今回は真ん中のクラシコレーベルのもので、MTM (パターンオーダー) 国内最高峰と言える技術を見せていただいたり、学びがある部分があったり、充実した日となりました。
トップ写真は、以前より親交のある香川県の同業者サルトアリマの松本さん (左) と、スーツ工房の技術部長?営業?の小島さん (中) です。
出迎えてくれたのは、プレステージラインとして手縫いの箇所を通常よりも多くした2つのジャケット。大きな違いはイセ込みの量とクセ処理を施している点にあります。肩で+1.0cm、袖で+20%程度 (生地によって変わる) 多くイセ込み量をとっており、肩を包み込むような丸さを実現でき、クセ処理も同様の作用があります。これらプレステージラインのオプション料金は肩イセ&袖イセで44,000円と試される方は少ないですが、実際に着用されたお客様は着心地の違いに驚かれます。
クセ処理を行っている動画を近々でアップいたしますので楽しいになさってください。
毛芯と肩パッドの種類。どういうスーツを目指すかで使い分けを行います。
新型の共布ベルトパンツと、ワイドシルエットのパンツ。
レディースのオーダー品がこちら。6月からのローンチとなりますが、ショールカラーのオケージョンニーズにはまるジャケットや、商品化するか現在検討中だそうですがGジャンもございます。
何人かのお客様に作って頂いているハリントンジャケットのサンプル。スウェードで作るとまた雰囲気も変わる逸品です。
縫製工房内の様子。
生地をいきなり裁断するのではなく、スポンジングと言い湿らせてから干して乾燥させることで生地の状態を安定させます。
これも身頃の芯を据えてから、湿気を与え状態を安定させ縫製に入っていきます。作ってすぐにはきれいでも型崩れを起こしてしまう服は、こういった工程を省いているからです。
裁断したものを、縫製に入る前に柄合わせがしっかりと行われているか確認し、必要に応じてカットしています。
右がクセ処理前、左が肩甲骨のクセ処理を行ったものになります。縫製前にクセを取り、縫製して留める事により、一度取ったクセを戻らなくしています。
記念撮影前に、誰がどこ立ちますか?とバタバタしている様子。
店舗にいて学ぶ事もありますが、他からの刺激を受けて学べる事も多くあります。EGRETのお客様により良い洋服がお届けできるようこれからも精進してまいります。今後ともよろしくお願いいたします。
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