【動画】スラックスのアイロン掛けする様子をUPしました。“格好良く着るために大切です”

良い洋服を纏っていても、毛玉が出来ていたりしわくちゃで型崩れしていたり、最低限のお手入れをしていないと格好良く見えないものです。
お手入れの中でお客様から最もよく頂くご質問がタイトルにある“スラックスのアイロン掛け”です。
スーツの基本のキの素材であるウールは着用すればシワも入りますし、徐々に真ん中についているクリース線も消えていきます。一般的なジーンズやチノパンはさておき、スラックスにクリース線が入っていないと間が抜けて見えるので、消えてしまった場合は入れ直す必要が出てきます。
入れ直す手段としてクリーニングに出すというのも一つではありますが、頻繁なドライクリーニングは生地を傷める原因となります。汚れや汗を取るためにクリーニングに出すのは良いのですが、出し過ぎてしまいスーツの寿命が少なくなってしまうのは本末転倒です。
そこでですよ。アイロン掛けでございます。
パートナーの方に掛けていただくのもよろしいかと思いますが、ご自身で出来るようになるのが紳士淑女の嗜みではないでしょうか (笑) 。
アイロン掛けの、ノーカット10分程度実演している動画を下に掲載しておりますので、是非ご覧ください。
基礎知識①としてアイロンで生地に摩擦を与えすぎると、傷めてテカリが出てしまいます。少し浮かして触るようなタッチでアイロンを当てると、当て布無しでもテカリは起こりません。ですが最初は当て布推奨でございます。
基礎知識②は汚れが付いていると、アイロンの熱で沈着して取れにくくなるため、必ず汚れを除去してください。クリーニングに出すか、水でトントンするか、超音波の汚れ落としを使うか等々様々な手段がありますので、必ず汚れ落としを行ってからアイロンをしてください。
アイロンは最初こそうまくいきにくいので、失敗しても良いスラックスから練習していただくのがよろしいかと思います。
ちなみに、自宅では家庭用の普通のアイロンと、AMAZONで買った山崎実業さんの大きめの黒いアイロン台 (W116 × D36) を使用しています。スラックスが全て寝かせる事ができるので、アイロン掛けがしやすくお勧めです。反省点として、スタイリッシュな黒のアイロン台は、台についた汚れが分かりにくいので、次からは白を買おうと思っています。
いかがでしたでしょうか。本日のブログの内容が、皆様の洋服を楽しむ事の手助けの一つになりましたら幸いです。
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