『オーダースーツの一つの完成形?』ゼニアのトロフェオが人気です。
イタリアで最も良い生地は?と聞かれると間違いなく名前が挙げられる Ermenegildo Zegna (エルメネジルド ゼニア) 。
最もブランディングに成功したブランドであり、既製品も展開しつつ、生地も我々オーダー店に卸しているメーカーです。
ゼニアの特徴といえば、多くに語られていますがオーストラリアで最も良質な原毛を使った生地の美しさにあります。生地をひらひらと動かすたびに輝く深みのある艶は世界一とも称され、特にイタリア・フランス・日本のテーラーから厚い支持を得ています。
そんな素晴らしいゼニアの生地は高級感のある洋服がお仕立てできる一方で、お仕立てが難しい生地でもあります。仕立てしやすい生地というのは、コシがありしなやかな柔軟性のある生地。リネンなどの全く伸びない生地も仕立てにくいですが、それ以上に高番手生地はツルツルと滑りやすいため仕立ての難易度が上がります。
当店でもトロフェオシリーズは、お仕立てをカスタムグレードではなく、クラシコグレード以上でのお仕立てをお勧めしております。
柔らかさとコシ、光沢が際立っている生地で、一番を示すトロフィーからトロフェオという名前が付けられた事からも、ゼニア最高クラスの生地である事が分かります。そんな良い生地にはより良い仕立てをという思いをEGRETは持っています。
そんなトロフェオを多くご支持いただいております
お客様のスーツは現在お仕立て中の為、これは店頭の仕上がりサンプルですが、ここ最近ゼニアのトロフェオシリーズを選んでいただく方が増えてきております。
大変高級感のある生地ですが繊細さな生地である為、全ての人にお勧めできる生地ではありませんが、結婚式やセレモニー等たまにしかスーツをご着用しない方や、何着もスーツをお持ちでここ一番のスーツにとお考えの方には素晴らしいお仕立てになる事と思います。
こう指でつまむと、高級感が伝わってきます。ヌメりのある細い繊維を感じて頂けるのが高番手生地ならではです。
TROFEO (トロフェオ) 生地一覧
こちらは2021-22AWのトロフェオ (※なのでいくつか品切れしています) 。
8月に新作である2022-23AWのトロフェオが入荷してくるかと思いますが、それまではご使用いただける生地であり現在の円安の影響を受けていない物になりますので、少しお求めやすいのが嬉しい所ではないでしょうか。
是非、ゼニアのトロフェオでお仕立てをお考えの方は一度お問合せいただけますと幸いです。
スーツの小ネタの関連記事
- スーツの小ネタ
フルハンドメイドオーダーの魅力について。
姫路のオーダースーツ店EGRETでは、縫製をおこなう工房によってカスタム、クラシコ、フルハンドメイドとレーベルを分けています。どんな生地を使い、どの工房で縫製をおこなうかで仕上がりは違うものとなります。 カスタムとクラシコは、メイドトゥメジャーやイージーオーダー、パターンオーダー...
- スーツの小ネタ
【永久クリース仕様?】スラックスにクリースステッチを入れるデメリットを2つ。
スーツのスラックスに必要不可欠なクリースライン。パンツの真ん中に入っている線のことで、これにより縦長に足を綺麗に見せられ、またフォーマルな印象を持たせることができます。スラックスだけでなく、ジャケットとコーディネートさせることを目的に、デニム素材でもクリースラインを入れるイタリア...
- スーツの小ネタ
【ナポリっぽくしたい?】ジャケットのラペル位置をアイロンで変えてはいけない2つの理由
洋服の印象は素材によるところが大きいですが、型紙によっても雰囲気を変えることができます。 スーツであれば肩を構築的な角度で作ったり、逆に柔らかくしたりすることによって、英国やイタリアのエッセンスが加わっていきます。タイトルにあるラペルの返り位置もその一つで、返り位置を下げてVゾー...
- スーツの小ネタ
オーダーコートが楽しくなる季節に近づいてきました 『クラシカルなロングコートはいかがでしょうか』
姫路のオーダースーツ店EGRETでは、新作のコーデュロイやモールスキンなどスポーティな服地が先日入荷し、常時取扱いしているカシミヤやメルトンといったクラシックな生地も含めて、充実したコート生地のラインナップをご覧になっていただけます。 このブログを書いている日中に外を見ながらコー...
- スーツの小ネタ
サイズが合っていないとジャケットの前合わせが開く件。※ただし例外の考え方も有り
オーダーの場合、お客様それぞれの体型に合わせてサイズの数値を設定していきます。そこにはその方に合った数値とデザインの数値というものが存在します。 例えばサスペンダーをされない方はベルトもしくは脇尾錠等を使い、骨盤の位置に引っ掛けるよう設定する必要があります。無理に股上を伸ばすと下...
- スーツの小ネタ
どこまで拘る、手縫いの妙。クラフトマンシップを感じさせるディティールについて。
6月に入り、夏を感じさせる日差しになってまいりました。季節の変わり目は体調を崩しやすいものですので、どうかご自愛ください。 さて、仕立ての世界は仕上がりまでに最低でも1カ月程度お時間がかかります (フルハンドメイドでしたら4カ月以上) 。 お直しなどは手縫いの方が融通が利きやりや...