2022-23年秋冬の生地仕入れ備忘録 ~そろそろ秋冬オーダーの季節です~
『前回に引き続き生地の仕入れについてです』と、ブログにしたためようと前回のブログを探したところ、、、
まさかの書いていないという事実に驚きを隠せない店主です。
秋冬小物の仕入れについては書いておりましたが、メインとなる生地の仕入れの内容を書いていないとい失態。大変失礼いたしました。
という訳で、がっしゃんこした内容でお送りいたします。
画像はまだ非公表ですので、文字でイメージを膨らませていただけると幸いです。
どの業界にいえますが、円安、材料高、運送費高騰もろもろの理由により、昨年よりも値段が上がる傾向です。時計業界のようなびっくりするくらいの値上げは今のところ見ないですし (個人的に欲しかった時計も一旦保留です) 、UNIQLOも秋冬に値上げするようですし、ここばかりは仕方がありません。
また、テーラー業界の内情の話では、ウールの最も有名な原産地であるオーストラリアにおいて雨が多かったようで、羊が育ち過ぎたと聞いています。育ち過ぎるとどうなるかというと、ウールの繊維が太くなってしまいオーダーに使われる高級生地の原材料が少なくなります。需要と供給のバランスで原材料が少なく、需要が高くなるとまたお値段が高くなる。
値上げばかりの話で申し訳ありませんが、次年度以降も生地のお値段は上がっていく見込みです。
、、、という事は、
今が一番お買い得という裏返しでございます!(笑)
常時秋冬生地を取り揃えておりますので、気になられた方はお早めにご相談ください。
さて、個別のブランドでいくつかご紹介すると、、、
FOX BROTHERS (フォックスブラザーズ) のコレクションが素晴らしいクオリティでした。250周年を迎え、過去最高ともいえるフランネルのコレクションを発表しています。仕立て上がった際の雰囲気は抜群だろうなと想像に難くないものでした。
HARRISONS (ハリソンズ) は少し前のブログでご紹介したので割愛しまして、CANONICO (カノニコ) は相変わらず安定したクオリティ。少し値上がりをしていますが、それでも一番最初にオーダーを体感するブランドとしてはとても良いご選択だと思います。Super150'Sのリベンジから、21ミクロンの太い糸を使った英国的なコレクション、フランネルまでこの秋冬も要注目です。
ZEGNA (ゼニア) やLoroPiana (ロロピアーナ) は相変わらずの格好良さで、同じイタリアのSCABAL (スキャバル) やDRAGO (ドラゴ) の太番手シリーズもお洒落な生地がラインナップされておりました。春夏よりも秋冬の生地は奥行きがあり、見ているだけで楽しくなります。
後、2/5程度ブランドをチェックして仕入れは完了です。
マニアックな生地も展開予定ですので、是非是非楽しみになさってください。そろそろ秋冬オーダーの季節です!
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