【P&B UNIVERSAL】目付635g?服好き必見の分厚いスーツ生地 ~Harrisons (ハリソンズ) ~
オーダーの醍醐味である生地選びにおいて、色柄とともに重要になってくるのが生地の厚み。
生地の厚みは目付 (めつけ) で表現されており、この数字によって生地の厚みが変わってきます。
夏向けのオーダーであれば、目付を小さく生地を薄くする事で、涼しくご着用いただける洋服をお作りいただく事ができます。逆に目付を大きくすれば生地が厚くなり秋冬において暖かくご着用していただる洋服が作れます。
春夏のスーツ生地は250g以下、所謂オールシーズンと言われる生地は280~320g程度が現代のおおよその目安とされる数字ですが、これはあくまで目安であり好みによるところが大きくなります。
というのも、艶のある洋服を作りたい場合、細い繊維と糸が必要となり目付は小さくなる傾向があります。反対にガッシリとした英国的なイメージの洋服を目指す場合、春夏でも300gの生地を選ばれる場合があります。どういう洋服を目指すかで変わってくる部分です。
今回、ご紹介するHarrisons of Edinburgh (ハリソンズ オブ エジンバラ) のスーツ生地コレクションは特別なコレクションになります。
Harrisons 【P&B UNIVERSAL】
このコレクションのどこが特別かというと・・・
目付でございます。
約22ミクロンの太い原毛を使用しメインとなる生地は465gで、これでも一般的なスーツ生地の1.5倍。一番分厚い生地で635gという2倍以上になる分厚さと聞けば、特別なコレクションたる所以がお分かりいただけるかと思います。
厚手の生地として展開されている同じハリソンズのオイスターコレクションや、スミスウールンズのボタニーを上回る分厚さは必見です。
元々はハリソンズが所属するLBD社のバンチとして展開されておりましたが、お引越しをしまして (笑) 、改めてハリソンズから現在展開されております。
ソリッドからチョークストライプやグレンチェック等クラシカルな色柄の生地が、ヴィンテージを思わせる分厚さでラインナップされておりますので、古き良きオーセンティックな英国を感じていただけるコレクションとなっております。
実は、本生地P&B UNIVERSAL (P&Bユニバーサル) ですが、新色柄を収録された生地バンチがまだ完成しておりません。。。8月後半の仕上がりを予定しておりますが、先に到着した目付590gの紺無地生地が格好良すぎてフライングでご紹介しました。ブログより先にInstagramのストーリーに投稿したところ、取引先の方やお客様より早速リアクションいただけました。服好きにはたまらないコレクションですね。
全ての生地を実際に見ていただくのはまだ先ですが、ハリソンズの公式サイトにどんな生地があるのか掲載されておりますので、ご興味がある方は是非チェックしてみてください。
https://www.harrisons1863.com/brand-portfolio/collection/harrisons-p-b-universal/
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