【素材に拘る】夏に使いたいシャツ生地。〜コットンやリネン、同じ繊維でも使い方で変わる件~
絡み織りコットン
コットン100%でも織り方を工夫することで涼しく着用する事ができます。これはからみ織りといい、経糸を絡ませながら横糸を通していくのでメッシュ状になり、目の粗いザラっとした手触りで涼しげな印象を持たせます。肌との接地面も少なくなり、夏の汗ばむ気候に適した素材です。
コットンシアサッカー
シアサッカー、別名しじら織りのコットン100%のものです。経糸を収縮率の違う糸を配置して、表面をぼこぼことしたものにしています。からみ織り同様に肌との接地面が少なくなり、べたつきが少ない夏向きの素材です。
インディゴ素材コットン
実際に体感として涼しいわけではありませんが、見た目の爽やかさが生まれるのが細い糸を使ったインディゴ素材。デニムと同じ経糸に色糸、横糸に白糸を使った四つ綾で織られ、裏が白いです。デニムは太番手の糸を使った物を指すので、細番手で織られてこちらの素材はインディゴ素材と表記しています。
シャンブレーコットン
シャンブレーもデニムと同じく経糸に色糸、横糸に白糸ですが織り方は平織り。経糸、横糸交互に入るので表裏はほぼ同じ表情です。表からも横糸の白が見える為、デニムよりもまろやかに見える素材です。
リネン100%
色気十分のリネン100%。汚れにくく、吸水性、通気性も高く夏に持ってこいな繊維ではないでしょうか。太く伸縮性が無い繊維のため、大きくシワが入りやすいため、パリッと綺麗に着こなすというよりは少しゆとりを持たせたサイズ感でカジュアルな着用がよろしいかと思います。
コットン×リネン
リネンをビジネスのシャツに選ぶのであれば、コットンとの組み合わせが欠かせません。太いリネンの繊維とコットンが合わさりサラッとした質感になり涼しく着用でき、シワの入り具合もリネン100%のものよりも柔らかくなります。夏のドレスシャツにまとめ買いをされる方も多い当店で人気の素材です。
スーツの小ネタの関連記事
- スーツの小ネタ
『コットンパンツのアイロン方法』~洗濯後の一手間で見え方が大きく変わります~
当店で大変人気のあるオーダーコットンパンツ。 ウールには出せない固くスポーティな質感はコットンならではのもの。誂えたものだからこそ出来るストンと落ちた美しいシルエットから色違いでの複数ご購入も多いアイテムです。私自身もオフホワイト、カーキ、ネイビーとコーディネイトにより使い分けを...
- スーツの小ネタ
【生地の基礎知識】平織りと綾織りについて一考。どういう服を作りたいかで決めると楽しい。
オーダー品の魅力は、数多ある選択肢の中から着用されるシーンに合ったものをお作りいただけることにあります。 フルオーダーと同義であるビスポークが、対話を意味するBe spokenからきているのも、お客様との対話を通してでしかオーダー品が作り上げられないことに由来します。このシーンで...
- スーツの小ネタ
ノーネクタイのシャツは【3つの襟】〜レギュラーカラーだとチグハグに~
夏に近づくにつれ、スーツを着られていてもノーネクタイにされる方が増えてきます。会社によってはクールビズ期間が設定され、“ネクタイをしてはいけない”ところもあるくらいです。 ブラウンやベージュといったリラックス感のあるスーツを除いて、ネイビーやチャコールグレーといった一般的なビジネ...
- スーツの小ネタ
クレリックシャツのすゝめ。正式名称:Winchester shirt (ウィンチェスターシャツ) の歴史と特徴。
最近、オーダーいただく事の多いクレリックシャツ。 その特徴は身頃と衿とが別素材となり、コントラストの効いたデザイン。Google検索すると予測変換で“クレリックシャツ ダサい”なんてdisられる事もあり過小評価される事もありますが、それは誤解であり1800年代から続くクラシカルで...
- スーツの小ネタ
【フランスの美学】フィッシュマウスラペルはこういう形。〜ジャケットの衿型について〜
ジャケットの顔といえるVゾーンは、上衿と下衿 (ラペル) で構成されます。 最も一般的な形であるノッチドラペルに、ダブルブレストのピークドラペル、タキシードで用いられるショールカラー等、スーツやジャケットの種類によって様々な種類の襟が存在します。 本日は、フランスの美学ともいえる...
- スーツの小ネタ
【フルハンドメイドオーダー】新しいレーベルでのオーダースーツが始まります。
姫路のオーダースーツ店EGRETは、新しいレーベルでの受付をスタートさせます。 今まで九州の工房であるカスタムレーベルと、クラシコレーベルでは愛知県にある工房aldex (アルデックス) に仕立てをお願いしておりました。ベースの有型からフルオーダーに近い補正範囲を持つ両工房ですが...