【クラシコ イタリア】2つの新モデルをご紹介 ~フィレンツェ・ナポリ~
クラシコ イタリア
クラシコは、イタリアの格式高い伝統的なスタイルを指しており、クラシコを感じさせる柔らかな仕立ては、英国の鎧のようなスーツとは一線を画します。
どういったスーツを目指すかにもよりますが、空気を纏う美しいドレープのスーツはクラシコ イタリアそのものであり、お客様に強く感じていただける2つの新モデル (フィレンツェ、ナポリ) が登場しましたので、ご紹介してまいります。
ベースとなるクラシコモデル
イタリアのスーツに注目をされ始めたのは、1800年代後半と言われています。
英国貴族がナポリでバカンスを過ごしていた時、普段着ている英国のスーツでは暑くて快適に過ごすことはできません。ナポリに適したモノづくりとして、軽く鮮やかな生地であったり、職人の手仕事による柔らかいスーツが生まれていきました。
英国にない彼らのスタイルは評判を呼び、多くの貴族が依頼したことから、イタリアのモノづくり力が高まっていきます。
当店のベースとなるクラシコモデルも、柔らかい着心地から流通している一般的なスーツとの違いを、多くの方に実感していただいています。
フィレンツェモデルのオーダースーツ
新たに加わったフィレンツェモデルの特徴は、低いゴージラインとフロントダーツと脇身頃のパーツを無くして立体的な曲線を描かせたフォルムです。
パーツが少なくなるという事は、立体的に作りずらくなる事を意味しています。少ないダーツ (縫い代) の中に入ったカーブをアイロンによるクセ処理で分散をさせる必要があり、職人の高い技術力が必要になっていきます。
ナポリモデルのオーダースーツ
ナポリモデルは、フィレンツェよりは緩やかなゴージの低さと、後ろに逃がした肩線、ポケットを突き抜けたフロントダーツが特徴です。
クラシコレーベルの中で最も構築的に (それでも柔らかく) シルエットを作れるモデルになります。
いかがでしたでしょうか。
クラシコ イタリアのアルチザン (職人) な雰囲気がプンプンとする新モデルをご紹介しました。
手縫いのボタンホールにしたり、ダブルステッチにしたり、その他味付けも自由自在。
イタリア人と日本人は体型が似ています (イタリア人は小柄な方も結構おられます) 。普段スーツが似合わないと思われている方には特にお勧めなクラシコレーベルであり、服好きにはたまらない新モデルかと思います。
是非、気になられた方はお問い合わせいただけますと幸いです。
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