車社会のコートといえば Giaccone (ジャッコーネ) 。『本場イタリアでも人気のアウターです』
イタリア語でジャケットはgiacca (ジャッカ)、コートはCappotto (カッポット)。
では、Giaccone (ジャッコーネ) は?
アパレル用語はほとんどアメリカ英語ですし (フランス語のジレなんてものもありますが) 、イタリア語はあまり馴染みが無いかと思います。
さて、ジャッコーネの正解は・・・
コートです !! (笑)
カッポットもコートなら、ジャッコーネもコート。
この二つの違いは、主に“着丈の長さ”と“スポーティさ”によるところです。カッポットはチェスターコートやポロコートといったクラシカルで膝位置程度の長い着丈の物を指し、ジャッコーネはPコート等のお尻がすっぽり隠れるくらいのスポーティな着丈の物を指します。
この着丈の長さがジャッコーネのポイントであり、EGRETのある兵庫県姫路市を始め、車が交通の主たる移動手段の地方都市においてお勧めのアウターとなります。
着用したまま車に乗りやすいジャッコーネ
ジャッコーネの着丈の長さのイメージは、下に着用するスーツやジャケットの裾が隠れる短さです。これが膝位置まで着丈が長くなると、着たままの運転がしにくく都度脱がれる方も多いかと思います。
加えて短ければ良いかというとそうでなく、クラシックなスタイリングを考えると上着の裾から下の服が見えているのはNGです。着丈のバランスを取りながらお作りしていく必要があります。
※あえて下の服を見せるスタイリングもあるにはありますが、これはクラシックを打ち破ったものでありコムデギャルソンやヨウジヤマモト、アレキサンダーマックイーンといった“モード”な世界。また別のお話ですね。
意図がないのであれば、クラシックを目指した方がうまくいきます。
EGRETがご用意するジャッコーネの基本パターンは、アルスター衿にダブル6×2掛け、フレームドパッチポケットというデザインです。ポロコートを思わせるフレームドパッチポケットは仕立てが難しいですが、迫力のある見た目に丈夫さを兼ね備えた実用的な仕様です。
こちらのサンプルに使用したのはFOX BROTHERSの限定コレクションであるFOX TWIST。色柄の出方も素敵で、さすがの仕立て上がりの綺麗さ。ジャッコーネにしていただいてもとても格好良いです。
いかがでしたでしょうか。クラシックさを求めたチェスターコートやポロコート、ラグランスリーブのラップコート、そして本日ご紹介した実用性と風格のあるジャッコーネ等、オーダーコートを作る上で様々な形をご用意。素材もカシミヤから打ち込みの良いメルトン、さらっとしたカバート等幅広い選択肢があります。
兵庫県姫路市で仕立ての良いコートをお求めの方は是非一度お問い合わせいただけますと幸いです。
こだわり派の貴方へお勧めのブログ記事をご紹介します
【2021春夏限定コレクション】FOX BROTHERS (フォックスブラザーズ)
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