『オーダースーツがしっくりこない女性へ』姫路のスーツ店EGRETのレディース新ラインをご紹介します
スーツやジャケットを着られる女性にとって多い悩みが、、、
『しっくりこない・着られている感が出る』
というもの。オーダーしてサイズが合っているはずなのに、スーツだけが浮いてしまっている、そういったお声を頂戴します。
この原因は主に二つです。
・形が古い事
・フィッター (採寸者) が多様なサイズ感の感覚が出来ない事
この二つを軸に、本日はレディーススーツがしっくりこない原因と解決法を深堀りしていきます。
形が古い事
レディースのオーダーメイドは難易度が男性よりも高いです。
女性の服飾の歴史を見るとトレンドの移り変わりが激しく、数年でスタイルが変わりします。スーツ一つとっても男性の物より変化が大きいのが特徴です。現在のジャケットはショート丈の物が主流だった時代が終わり、クラシカルにお尻がすっぽり隠れる丈に回帰しています。
クラシックは不変である
女性の洋服は“変化 (トレンド) ”が付き物ではありますが、クラシックがベースにあれば着れなくなる事はありません。古くなって着れなくなるのは基本を抑えず、トレンドばかりに執着した物です。
男性の洋服と違う所は、クラシックを抑えていてもトレンドに合わない時期があるのは確かですが、すぐに他の服の雰囲気と合わなくなるような数年で消費してしまう物を選ばない事が大切です。
現代の多様なサイズ感
女性服の難しさは体型によるところも大きいです。
男性に比べ丸みのある体型は、カーブを合わせる事が大変。男性の身体も立体である事に変わりはありませんが、男性はバストとヒップの寸法差は多くて10cm程度に対して、女性は平気で10cmを超える事が多いので高いパターンメーキングの知識が必要です。
加えて、サイズ感も現代は多様になってきています。
ピタピタ一辺倒だったシルエットは、ゆとりを持たせたクラシカルなサイズ感が増え、女性ファッション誌 (奥さん読むヴェリーや美人百花を見ることがありますが) でもスキニーパンツなんてほぼほぼ見ないです。
スーツ屋としてクラシックを抑えつつ、時代性を取り入れないといけないのがレディーススーツのポイントになってきます。
EGRETのレディースラインはどう違うのか?
EGRETのレディース新ラインのスーツの特徴は3つ。
・国内三指の実力を持つスーツ工場を使用した“本格仕立て”である事
・美しいツィードや、世界一のイタリア生地等、5000種類以上の生地から選んでいただける事
・MSGMやミュラーヨシオクボといったブランドのセレクトショップ経験もある採寸者である事
クラシックであり、多様なニーズに合わせたスーツをお作りする事ができます。今回、3つのレディースモデルをご用意いたしました。こちらはクラシコレーベル (108,900円~ ※税込) のみの展開です (※通常のベーシック仕立てのレディーススーツもご用意しております) 。
クラシックに忠実でありながらも時代性というポイントを抑えたモデルであり、紳士服の仕立て技術が詰まったスーツ・ジャケットになります。
シングル2釦モデル
最もスタンダードなシングル2釦モデル。紳士服の仕立てをレディースのサイズバランスに落とし込まれています。ラペル (衿) 返りはレディースの仕立てをした場合、こう美しく出ません。
中にはいる副資材も接着芯という乖離を起こすものでなく、総毛芯を使用しているので型崩れしにくいです。
シングル1釦モデル
1つ釦モデルは裾のカッティングをスクエアにした女性ならではのデザイン。襟は尖っているピークドラペルから、通常のラペルに変更可能です。少しモードな雰囲気を出されたい方に1釦モデルはお勧めです。
ダブル6釦2掛けモデル
ご要望の多い、ダブルの前合わせモデルです。サンプルのように金ボタンでブレザーのように仕立てるも良いですし、夏場であればシアサッカー、冬であればフランネルといった季節感の出るジャケットとしてもスタイリングに取り入れやすくなります。
いかがでしたでしょうか。EGRETが新しく始めるレディースモデルをご紹介いたしました。
パンツもノータック、1タック、2タックからお選びいただき、ワイド、テーパードとシルエットを自由にお作りできます。今までスーツ・ジャケットでしっくりとこなかった女性にお勧めの一着となりますので、是非気になられ方はお問い合わせいただけますと幸いです。
実際のレディースオーダー仕上がり例はコチラから
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