【セルフチェック】パンツ・スラックスサイズが合わないと着心地悪化の原因に
突然ですが、問題です。上のパンツのサイズあっていると思いますか?どうでしょうか?
シンキングタイム・・・
正解は、、、
あっていません。
ヒップ寸法が余っています。よく見るとポケットの後ろが余っているのが分かるかと思います。
これ自分用のパンツでして、ボディのヒップよりも私のお尻のほうが大きいということですね(笑)。
この状態は着心地が悪いというよりも見た目が格好悪いです。ヒップ寸法を合わせて自分サイズにすることでスッキリとした格好良い見た目になります。
反対に、余るのが嫌だからと小さ過ぎるものを選ぶと、一見シルエットは良いように見えても着心地悪化と、破れの原因になります。
着心地悪いピタピタパンツが目立つ時期
最近はクールビズの影響によりジャケットを着ない方も多くなっています。上着で本来隠れていた所が露出してしまうので、サイズの合っていないピタピタパンツが目立ってしまう時期です。意識しないと気づかない部分なのでご注意ください。
自分は格好良く履けているよ!問題ないよ!
そう思われる方、下記のセルフチェックを是非一度お試しください。
ピタピタパンツに慣れ過ぎていると、それが普通だと思ってしまって気づかずに破れてしまったとか、不格好に見られていた、なんて勿体ない事になっているかもしれません。
セルフチェック
セルフチェックのポイントは3つです。
・脇のポケットが笑っていないか
・タックが開いていないか
・プリケツになっていないか
脇のポケットが笑っていないか
ヒップ寸法が足りていない時に起こります。パンツの脇ポケットがパッカーって開いて歪曲している状態です。
パンツの足部分の細さばかりに目が行き、ヒップを気にしていない人に多いです。
パンツでまず合わせるべきはヒップ寸法です。ウエストはある程度調整できるので、既製品を買われる際にもお尻で合わせると意識していただければと思います。
タックが開いていないか
これは脇のポケットが笑っていないか?と同じ現象で、ノータックではなくタック入りパンツで起きます。ポケットが笑うのと同様、ヒップ寸法が足りていません。
一番上の写真のタックはちゃんと閉じていますよね。
良いタックパンツは閉じたうえで、裾に向かってタックが消えていきクリースに向かって“立つ”パンツの事です。タックが入っているのに開いているのは格好良い物ではありません。これの解決策もヒップでパンツのサイズを合わせると上手くいきます。
プリケツになっていないか
お若い方のカジュアル服ならさておき、大人のスーツでプリケツは見ていて綺麗ではありません。
プリケツの原因は、ヒップ寸法とワタリ寸法が小さいことによります。ワタリとは腿の付け根の寸法で、オーダースーツでも足部分を細くしたいからとワタリを小さくし過ぎるとこの現象が起こります。
男の洋服は“ゆとり”があるほうが格好良いです。ブカブカな服は論外ですが、綺麗な服には必ず“ゆとり”があります。
なんでもかんでも細くしてピタピタの貧相な服にするのではなく、ゆとりを取りながら余裕のある洋服が大人には良く似合います。
今履いているパンツが小さ過ぎないか、是非今回の3つのチェックポイントをご参考にしていただければ幸いです。
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