【レザーソールとラバーソール】革靴底はどちらも良いよという話
革靴選びで大切になってくる靴底。使われている材質により大きくレザーソールとラバーソールに分かれます。
革靴好きであればお好みで分かれるのが、このレザーソール派とラバーソール派です。
こっちの方が優れている!
、、、というものでなくどちらにも良い部分がありますので、お選びいただく際のご参考にしていただけるよう、本日はご紹介していきます。
レザーソールの魅力とデメリット
クラシックなスーツが好きな方は、レザーソールを選ばれる印象があり、(女性の方に多いですが) 、木と勘違いされるのもレザーソールです。私自身選ぶことが多いのはレザーソール。
理由はコツコツという小気味良い歩行音と、見た目の格好良さです。ラバーソールに比べフォーマル感が生まれるので、ドレッシーに見せたいときはレザーソールが相応しいと思います。
よく、レザーだから通気性に優れてムレないと言われるのですが、汗っかきの私からすると??マークが付き、あまり実感したことはありません。返りが良い、という意見もありますがそれも??です (笑) 。
よほど分厚いラバーソールであれば返りは悪いのでしょうが。
レザーソールのデメリットを上げるとすれば、水にぬれた際の堅牢度の低下と、ケアをしなければいけないことでしょうか。
雨に濡れると、染み込みが発生してふやけたような状態になります。そのまま歩いた状態であれば本来の摩耗性を維持できず弱い状態のため、朝から雨がざーざー降りの日は避けた方がベターです (突然の雨は気にする必要はありません) 。
もし、雨に濡れたのであれば雑巾で乾拭きして (必要であれば濡れ拭き) 、数日置いて乾かせば問題ありません。靴は水に弱いのでなく、汚い雨が良くないだけです。
ラバーソールの魅力とデメリット
ラバーソールの魅力は耐摩耗性と、耐水性の高さです。レザーソールであれば染み込みがあるところ、ラバーソールは安心です。私の雨の日靴はもっぱらスウェード素材のラバーソール。雨の日しか履かないお気に入りの靴なので、雨の日が来るのが楽しみだったりします (笑) 。
ラバーならではのグリップ力があり、じゅうたんの上や雨の日でも滑りにくいのが魅力です。
また、ラバーソールのお手入れも固く絞った濡れ雑巾で拭くだけで大丈夫。機能性、扱いやすさだけを見るのであれば、ラバーソールに軍配が上がります。
ラバーソールのデメリットはカジュアルな見た目になってしまうことでしょうか。サイドからも分かるラバーの質感や厚みはフォーマルな場には向きません。とはいえ、薄い物を選べばそれも軽減されるのでその限りでないものも存在します。
このように、自分が着用するシーンをイメージしてレザーソール、ラバーソールにするかを考え、その上でどういうタイプのレザーソール (またはラバーソール) にするかを選んでみてください。履き具合に直結する部分ですので、何かわからない事がありましたらお気軽にご相談いただければと思います。
靴選びも楽しいです^^
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