スポーティさが出る【クレリックシャツ】について
こんにちは!EGRETの鳥形です。
現在住んでいる家の前に桜の木が生えていまして、昨日までの桜はつぼみ状態だったのに、今日見ると半分ほどきれいに咲いていました。
気温が高い関係で今年の桜は早く満開になると言われていますが、まさにその通りになり、春の訪れを感じます。
春夏秋冬、四季を感じることができるのはとても素敵なことですね。日本の四季は美しいです。
ことファッションにおいても、こういった考え方があります。
TPO < タイム (時間) 、プレイス (場所) 、オケージョン (場合・内容) > 、によって服装を変化させるのです。これよりエレガントな装いをすることができます。TPOのタイムには季節感という意味が含まれています。
これはルール的要素も含んでいますが、どちらかというとセンスの良さがあらわれる要素のほうが強いかもしれません。
シャツのデザインのひとつ、クレリックシャツもまさにTPOに合わせて着用することで効果を発揮していきます。
最もフォーマルなシャツは細番手の白無地であれば、このクレリックシャツはスポーティ (カジュアル化) をさせるための要素として取り入れていただきたいです。
クレリックシャツは和製英語で、海外ではカラーセパレーテッドシャツ等と呼ばれていますが、日本国内ではほとんどクレリックシャツと呼ばれるので割愛。
衿とカフス部分を白生地で切り替えたシャツのことで、身頃にはブルー無地かロンドンストライプの生地が使われるのが一般的です。
もともとは、衿やカフスを取り替えるためにこのような仕様にしたと言われています。柄や変わった色だと交換する生地が見つからないので白無地が選ばれました。昔は今よりも服が貴重であったため、修理をしながら長く着用していました。
ジャケットの裏地は擦り切れるまで着用して、張り替えるものでしたしね。
クレリックシャツの使いどころとしては、フォーマルなシーンというよりは、より砕けたビジネスでの着用がベターです (身頃の色がサックスブルーや青のロンドンストライプの場合) 。
身頃の色次第ではスポーティ&カジュアルにも使えるデザインになるため、クールビズ時のシャツなどにもお勧めです。
逆にいうと、クールビズのノータイスタイルにネクタイを締めるためのシャツは似合いません。いつものスーツスタイルのネクタイを取っただけVerにならないよう、クレリックシャツも取り入れてみてはいかがでしょうか?
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