生地選びの楽しさお伝えします
スーツと一言でいっても、捉え方は様々。
会社に言われて仕方なく着ている作業着のイメージ。
毎日気分によって変えたいファッション着のイメージ。
自分をよりよく見せるためのブランディング着等々。
どれが正解というわけではありません。
自分がどう見せたいかによってスーツの意味合いが変わってくるのだと思います。
生地も同じ。
当店はイギリス、イタリア、日本と様々な国の生地を取り扱っています。
どの国のものが一番素晴らしい!ということはなく、それぞれに特徴があり、自分にとって最適な生地を探していくことがオーダースーツでは大切だと考えています。
だからこそ、3000種類以上の生地を取り揃えて選択肢の幅を広げようとしていて、数がすべてではありませんが少ない中から選ぶと妥協が必要になる場合もあるので。。。
その分、生地選びはじっくりおこなうことが多いので余裕を持ってご予約くださいね(笑)
イギリスとイタリア生地
そんな生地の中でわかりやすい特徴を持っているのが、イギリスとイタリアのもの。
それぞれの特徴なのですが、
イギリスの生地は目付(生地の重さの単位で厚さとほぼ相関関係、大きいほうが分厚い)の重いものが多く、織り方も経糸、横糸ともに双糸(糸を二本撚りあわせたもの)を使いしっかりと織り上げられたものが多いです。
対して、イタリアの生地は目付もそこまで重いものは少なく、経糸双糸、横糸を単糸(糸を1本使用)で軽やかに仕立てる傾向があります。温暖な気候とお国柄があらわれていますね。
またイギリスの大多数である分業制に対してイタリアはミルといって、自社内で生地を一から織り上げる所が多いため、独自性の高いデザインされた生地もよく見られます。見ていて楽しいイタリア。
クラシカルなイギリスと、現代的なイタリア、堅牢なイギリスに対して、軽やかなイタリアといったところでしょうか。
その違いは実際に比べていただくと分かりやすく、
上がイタリアで、下がイギリスの生地。
うーん、、、イタリアの柔らかさそうな質感が伝わっていますでしょうか?(笑)
写真だと生地の良さが伝わらないのがいつも残念に思っています。。。
触るとすぐ分かるので、来店されて迷われている方やご説明の際は触って確認していただいています。
また、一言でイタリアの生地といってもブランドやバンチ(生地の見本帳)、織り方によって質感がさらに変わってきます。
こちらはイタリアの代表格である、Ermenegildo Zegna(エルメネジルド ゼニア)とVITALE BARBERIS CANONICO(ヴィタル バルベリス カノニコ)。
実際の生地では上のゼニアのほうが細い原毛を使用していて華やかさがでていて、VBCのほうが(比較すると)原毛が太いのでコシ、しなやかさを備えています。
同じ織柄であるヘリンボーンであっても、バンチによって色んな種類のものをご用意しています。
ちなみに柄が大きいと、身体は大きく見られ華やかさが増していきます。
ブランドが同じでもバンチが違えばまったくの別物に。
英国No1生地商社ブランドであるHARRISONS of EDINBURGH(ハリソンズ オブ エジンバラ)。
上がハリソンズのスタンダードな綾織りのバンチ、リージェンシーで、下が強撚糸を使用したスプリングラムコレクション。
滑らかさとざっくりとした風合いの生地は、この写真ではそこまで大差を感じなくても、実際のスーツでは大きく印象が変わります。
それぞれ高級感、実直さのあるスーツに仕上がります。
当店ではお客様が見せたいイメージに合わせて生地をご提案し、スーツ選びのお手伝いをさせていただきます。
本日のブログでオーダースーツの楽しさ!が少しでも伝わりましたら幸いです。
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