【ヘリンボーン】良い塩梅の大好きな柄
スーツづくりの醍醐味のひとつに、生地選びがあります。
同じ素材で作ったものでも、糸の撚り方(繊維から糸に仕上げること)や織り方、仕上げ方法によって全く違うものに出来上がってきます。
そんな個性豊かな3000種類以上の生地から自分だけのスーツを仕立てると思うとワクワクしませんか?
あれかなー、これかなーとお客様と一緒に選んでいく時間は、とても楽しい時間です。
スーツの仕上がりの印象を一番左右するのが色で、まずは大まかな色を決めていくことが多いです。
深いミッドナイトネイビーにすることで清潔感のあるスーツになったり、浅い青は快活な印象を、ダークグレーは大人で知的な印象etc...
色が大筋決まると”味付け”である柄を含めてどの生地にするか選んでいただきます。
本日のブログでは私の大好きな柄、ヘリンボーンについて詳しく掘り下げてレコメンドしていきます!
ヘリンボーンはこのような生地のことです。
無地より深みのあるヘリンボーン
生地は大きく分けて平織りと綾織りの2種類。
平織りは経糸(たていと)と横糸を順番に交差させて織りあげ、綾織りは横糸を一つないしは複数飛ばしにして織りあげられます。
そのため平織りは縦横に、綾織りは斜めに線が見え、右上がりのものを綾織りのなかでも”右綾”、右下がりのものを”左綾”と呼びます。
本題のヘリンボーンは、それを交互に織り上げているため、写真のようにジグザグに綾ができます。
英語ではherringbone(ニシンの骨)でジグザグにできた形状が似ていることからこの名前が付けられました。
そう聞くと魚の骨っぽく見えてきましたか?(笑)
遠目では無地ですが近づくとうっすらと縦縞に見えるヘリンボーンは無地の生地よりも深みが生まれる印象です。
下の無地と見比べてみてください。
フォーマルさでは無地、表情の良さではヘリンボーンといったところでしょうか!
私、ヘリンボーンが大好きで度々この柄でスーツを作っています。
無地もたくさん持っているのでただのスーツ好き疑惑もありますが(笑)
紡毛素材(糸が太く起毛している素材)だと、風合いの良さがさらに際立ちます。
これはハリスツイードというブランドの生地ですが、めちゃくちゃ格好良い。
定番生地のヘリンボーンは、他ブランドからも良い塩梅のものがリリースされているのでご紹介します。
Ermenegildo Zegnaのイタリアらしい柔らかさ、SMITH WOOLLENSの堅牢さ、HARRISONS of EDINBURGHのしなやかさな美しさ。
これら以外にも数多く取扱っておりますので、気になられた方は是非お問い合わせください。
(Ermenegildo Zegna)
(SMITH WOOLLENS)
(HARRISONS of EDINBURGH)
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