カラーステイをご存知?シャツに付いている透明の棒を捨てる前に考えること
ビジネス用のドレスシャツを購入するとだいたい付いてくるのが、替えのボタンと透明のプラスチックの棒。替えのボタンは取れた時に必要なことはすぐにわかりますが、このプラスチックの棒はいったい何でしょう?お問い合わせがいくつかありましたので、ブログでもご回答いたします。
このプラスチックの棒はカラーステイと呼ばれる道具です。カラー(襟)をステイ(維持する)ことを目的に作られました。シャツには”芯地”が襟と袖口のカフスに入っています。芯を入れないと襟とカフスがふにゃふにゃになってしまうからです。その昔は下敷きのような固さのある芯が使われていましたが、現在では芯も改良され柔らかいものも登場してきました。
その柔らかい芯においても、襟に固さを作り出すために生まれたのがカラーステイです。
最初から入っているものが多く、洗濯やクリーニング、アイロンの際は襟を裏返すととる事ができるので外しておいてください。そのままにしておくことは襟の痛みの原因になります。
ちなみにカラーステイは、自分の見せ方において入れておくか、外すか選んでください。入れておいた方が襟がしっかりと形成され、しっかり感やキチンと感が生まれやすいです。
逆に外すと、柔らかいソフトな雰囲気になり、イタリア系の柔らかいスーツとの相性が良くなります。
無難をいうならば、ビジネス向けのドレスシャツは付けておいた方が良いです。柔らかさを意識したい場合やジャケパンなどスポーティさを出したい時などは外したほうがおさまりがよくなります。どう見せたいか?を意識していただきご参考にして頂ければ幸いです。
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