【H様のご依頼】シャドーストライプのオーダースーツ ~ビジネスユースなイタリア製生地とは?~
EGRETでは“着て着やすく、見て美しい”、そんなスーツを目指しています。
格好良くても肩が凝るスーツはストレスに感じますし、身体に合わせて作ったからと必ずそれが格好良く見えるわけでもありません。加えて着やすさと格好良さはトレードオフな部分もあり、落としどころを考えるのは非常に難しいです。
ある程度、体型にあったスーツを作るだけであれば、型紙や縫製の知識、経験はそこまで必要ではないのかもしれません。例えるなら、冷凍食品はレンジでチンするだけなのに、ある程度美味しいものが食べれますよね (セブンプレミアムのチャーハンなど普通においしいです 笑 ) 。しかし、感動するような美味しい料理は、こだわりを持った店に行かなければ味わうことができません。
EGRETは、繊細で細やかな洋服をお仕立て出来るのが強みの一つです。何故、このシワが入りどう解決させるのか、どうしてこの服はスタイル良くみえるのかetc...言語化できて初めてスーツ屋と名乗れると考えております。
シャドーストライプのオーダースーツ
前置きが長くなりました。本日は姫路市のH様にご依頼頂いたオーダースーツのご紹介です。
ビジネスユースに使われるスーツとしてイタリア製の生地を使用しています。イタリア生地らしいしなやかできれいな光沢が写真からも伝わるかと思います。経糸双糸、緯糸単糸を使う事が多いイタリアの生地は、週2程度以上着用される場合、注意していただきたいポイントがあります。
それは目付という単位。この数字が大きくなるほど厚みが増す傾向があります。
厚みは耐久性に関わってくる部分ですので、夏のスーツや週一着用以下のスーツでない限り、目付は280g以上を選ぶのがベターです。スーツ屋からすれば痛みによる買い替えのサイクルが早くなるのでビジネス上は良いのかもしれませんが、EGRETとしては長く愛用できるスーツを増やして頂き、装いを長く楽しんで頂きたいという思いがあります。着用の頻度と目付 (厚み) は強く意識してご提案しています。
H様にも、用途をお聞きした上で目付280gのイタリア生地をお選びいただきました。イタリア生地は見ていて綺麗に感じていただける質感のものも多いため、ご注目されるお客様も多いですので、用途とあっているのか確認をしていただく必要があります。
シルエットに関しても、適度なゆとりをとった上でスタイルよく見えるものになり、H様にも着心地、見た目の美しさともにお喜び頂けました。初めてご来店頂いたお客様のお渡しの時間はいつも緊張しますので、嬉しい限りです。
H様、この度は誠にありがとうございました。体型など変わられた際には調整可能ですので是非お気軽にご相談ください。
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