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2024.09.08【H様のご依頼】SCABAL “CLASSICS (クラシックス) ” マイクロヘリンボーン生地を使ったオーダースーツ

姫路のオーダースーツ店では、常時10,000種類以上の生地を取り揃えており、似たような生地でも細部の違いにまでこだわってお選びいただけることが当店の強みです。

もちろん、生地を一から織り上げることで、よりパーソナルなスーツを作ることも可能ですが、1着分 (約3～3.5メートル) の生地を作成するのは非常に困難です。たとえ織元が対応してくれたとしても、経糸や緯糸をセットする作業だけでも大きな労力がかかり、結果的にコストがクオリティに見合わなくなってしまいます。

当店では、色、柄、風合い、厚さといった各要素について詳しくご説明し、お客様のご希望に最も合った生地をお選びいただいています。お客様の核となるご要望を丁寧にヒアリングし、理想のイメージに最適な生地を提案いたします。

本日のブログでご紹介するH様には出張用のスーツをとご依頼いただきました。

SCABAL “CLASSICS (クラシックス) ”

今回お選びいただいた生地は、ベルギーの高級マーチャントであるSCABAL (スキャバル) のCLASSICS (クラシックス) シリーズです。このシリーズは、英国産のハイエンドウールを使用し、50番手の経緯双糸で英国にある自社工場にて織り上げられています。1960年代から続くロングセラーシリーズとして、SCABAL流のクラシックでタイムレスなスタイルが体現された生地が揃っています。

H様がこの生地をお選びいただいた理由の一つは、数日間にわたる出張が多いという点です。日帰り出張であれば耐久性の高い生地はそれほど必要ではありませんが、複数日にわたって同じスーツを着用する際には、生地の耐久性や防シワ性が非常に重要です。

その点、CLASSICSシリーズは太番手糸を使用しており、目付360gのしっかりとした質感を持っています。この特性により、H様のような多忙なビジネスシーンにも最適な選択となりました。

また、太番手糸でありながら、ビジネスシーンで使いやすい控えめな光沢感を持っている点も、CLASSICSシリーズの魅力の一つです。鈍い光沢が上品さを演出し、格式ある場でも自然に溶け込み、かつ耐久性と機能性を兼ね備えた理想的な生地となっています。

着用されたお姿がこちらです。適度にゆとりを持たせた美しいシルエットが、H様の体を包み込み、快適さとエレガンスを両立しています。EGRETが目指すのは、“着て着やすく、見て美しい”そんなスーツです。

今回のスーツでは、あえてシャツが見えない袖丈に設定しています。スーツスタイルの基本として、着丈はお尻を隠す長さがセオリーですが、そのうえでお客様の年齢や立場、好みを反映し、0.5～数センチ程度の微調整を加えることも良いでしょう。今回の場合、着丈に対してシャツを見える袖丈にしてしまうと、着丈と袖丈のバランスが崩れ、スーツの美しい黄金比から外れてしまいます。身体にぴったり合わせたスーツが必ずしも格好良く見えるとは限らないという点は、押さえておきたい重要なポイントです。

シャツが見えていなくても、全体のバランスとして格好良く見えればよろしいのではないでしょうか。もちろんシャツを見せるのも選択の一つですので、ご要望にあわせたスタイルをお作りしていきます。

この生地はマイクロヘリンボーンといい、クラシック度の高い織り柄です。通常のヘリンボーンよりも細かく、遠目では無地に見えるかと思います。

いかがでしたでしょうか。店主もこのCLASSICSシリーズのスーツを愛用しており、仕立て映えするハリとコシのある生地を非常に気に入っています。出張などで長時間着用される場面でも、この生地は非常に頼もしいパートナーとなります。もし、出張用にこだわった一着をお考えの際は、ぜひご参考にしていただければ幸いです。