仕立て映えする英国生地の話。お二方のオーダースーツをご紹介します。
姫路のオーダースーツ店EGRETでは常時1万種類以上の生地を取扱いしており、大きく分けてイタリア製、英国製が軸となります。
イタリア製服地は華やか、英国製服地は質実剛健という言葉で形容することができます。バンチと呼ばれる生地見本帳にある十数センチ角のものを見ているとイタリア製の優美で柔らかな生地がまずは目を引くかと思います。光沢もあり、肌触りが良くたくさんの方からご支持頂くのも納得です。
対して英国製の質実剛健さは実際に仕上がってみると分かります。“仕立て映え”すると呼ばれ、アイロンの効きやすさ縫製のしやすさにより立体的な洋服を作りやすくなります。
本日は、生地の状態では分かりにくい英国生地で作成したお二方のお客様のスーツをご紹介してまいります。
ブラウンカラーのサージを使った三つ揃いスーツ
一見、グレーにも見えリラックス感のあるブラウンカラーのスーツです。身体を包み込む美しいシルエットでお作りしており、釦を外してもフロントが広がる事無く、お腹の前で収まっています。これは肩にうまく乗り、反屈身補正がうまくいっていることの証明です。あえてフロントを開くような設計をして、ラフに着こなすやり方 (ナポリの方では実際にそういったスーツも作っているようです) もありますが、お腹の前に収まる事は腕と身頃の間に隙間が生まれスタイル良く見せる事に繋がってきますので当店ではこちらをお勧めしています。
グレーカラーのバーズアイを使った三つ揃いスーツ
鳥の目に見える事から名付けられたバーズアイはクラシカルなスーツの候補になってきます。こちらは目付400gと初夏~晩夏を除いた時期にご着用いただける最初の一着目としてお勧めしたい生地のシリーズです。一般的な生地の1.5倍程度重さがありますが、しっかりと首から肩に沿わせることで重心が分散され着用時は軽く感じます。
いかがでしたでしょうか。
生地で見ると一見普通に見える英国生地の魅力、“仕立て映え”をお客様のスーツでご紹介させていただきました。イタリア生地の美しい艶か、質実な英国生地か、どういったスーツを作りたいか選ぶ一つの基準です。
最近では英国生地のようなイタリア生地、イタリア生地のような英国生地も登場してきておりますので、お気軽にご相談ください。
お客様の写真の関連記事
- お客様の写真
【カシミヤクラス】DRAGO (ドラゴ) のSuper180's SKYFALLを使ったジャケパンスタイルのご紹介
強風の影響もあり、気温以上に寒く感じる今週末。昨日も秋冬の装いのご相談や、成人式や結婚式のスーツなど、たくさんのオーダーのご依頼ありがとうございました。合わせて仕上がりました洋服のお渡しが続いています (予約の都合でご来店できなかったお客様申し訳ありません) 。フランネルやカシミ...
- お客様の写真
【姫路市K様のご依頼】レディースのオーダースーツ3バリエーション
姫路のオーダースーツ店EGRETでは、女性に向けたオーダーアイテムの展開もしています。 紳士服に比べると女性の洋服の仕立ては多くの場合、難易度はが高くなります。平面的な男性の身体に合わせる以上にフィッティングは複雑になり、メンズスーツのように明確なルールが少なく、自由度が高いこと...
- お客様の写真
『葛利毛織 (くずりけおり) 』ションヘル織機による国産ウールを使ったオーダースーツ
国内有数の生地産地である尾州において、今なお昔ながらの低速織機 (ションヘル) を使用している葛利毛織。現在主流となっている高速織機に対して、低速で生地を織り上げることにより、空気をはらんだふくらみのある生地が作れ、その違いは10年着用することで経年変化を感じていただけるようにな...
- お客様の写真
【A様のご依頼】LORO PIANA “AUSTRALIS (オーストラリス)” ~Super150's のブラウンスーツ~
姫路のオーダースーツ店EGRETでは、常時10,000種類以上の生地を取扱いしています。これはいつご来店いただいても、全ての季節、シーンに合わせた洋服をご提案したいと考えているからです。仮に無地のネイビーというよくある生地であったとしても、繊維や糸の太さ、生地の厚み、色の出方など...
- お客様の写真
【美しき手仕事】手で縫うことでより丸くなるオーダースーツについて ~DORMEUIL & DRAPERS~
姫路のオーダースーツ店EGRETでは、カスタム、クラシコ、フルハンドと3つの工房でお仕立てをしており、フルハンドにアップグレードするたびにミシン中心から手縫いの工程が増えていきます。また、クラシコの工房でもプレステージオプションとして手縫い箇所を増やしていくこともでき、手縫いにす...
- お客様の写真
【T様のご依頼】フォーマル度の高い、黒のプレートゥオーダーシューズ
スーツは色やデザインによってフォーマル度の違いがでるように、靴もデザインによってフォーマル度が変わってきます。フォーマル度の高いスーツにローファーのようなスポーティな靴は相性が良くないため、それぞれのフォーマル度を考え、調和のとれたものをコーディネイトしていきたいところです。 姫...