お客様の写真 - 『4名のお客様写真』オーダースーツで目指すシルエットはお客様によって変わってくるというお話。

2023.10.12『4名のお客様写真』オーダースーツで目指すシルエットはお客様によって変わってくるというお話。

スーツをオーダーするうえで大切なポイントの一つに、“どういったサイズ感・シルエットを作り上げるか”というものがあります。ひどいシワを消していき、美しさを追求する作業はどのシルエットでお作りするにしても心がけている所ですが、当然オーダーですからタイト目に仕上げる事もゆとりを持ったサイズ感にすることも可能です。

本日ご紹介する4名のお客様のオーダースーツ。年齢が違えば、体格、お好みも違います。各々お客様のご要望に沿ってお作りしていくのがオーダーであり、我々スーツ屋の腕の見せ所であります。

DRAGO グレンチェックスーツ

20代のお若いビジネスマン、S様のオーダースーツ。知的なS様の雰囲気に合わせた、細すぎないクラシカルなフィッティングで仕上げています。細身の体型に合わせて細く作るパターンと今回のようなクラシックなサイズで作るパターンがあり、どちらが正解というものではありませんが、お若い方が体型に合わせて細身に仕上げすぎてしまい、頼りない印象を持たれるのは勿体ないです。王道なクラシカルなシルエットがとてもお似合いでした。

VITALE BARMERIS CANONICO シャークスキンスーツ

身長のあるM様は、細身のシルエットがお好みのお客様で、コンパクトなシルエットでお作り致しました。ただし細いからといって無駄なシワが入るほど細くするのは格好悪いですし、着心地も悪化します。そのため、ほどほどが大切でございます。

Loro Piana チェックスーツ

ご結婚に際して、お返しにとプレゼントされたM様のオーダースーツ。身長が高く体格も良いお客様で細く見せるようにとこちらもコンパクトにお仕立てしております。細い体型の方、ご要望のあられる方を除けば、細身に仕上げる事がよろしいように思います。

Loro Piana シャークスキンスーツ

お立場が変わられたのをきっかけにご依頼頂いたS様のスーツは、リラックスした胸回りに対してお腹周りの絞りを無理のない範囲で強めています。Xシワが入るか入らないかのギリギリを狙う事で、お腹周りが気になられているお客様でもスタイル良く見せる事が出来ます。

一番やってはいけない事は、どんな体型の方でも同じ比率のゆとり分量で仕上げる事です。目安として頭の中に入れておく事は大切ですが、お客様に合わせて数値を設計する必要があります。

また、オーダーする意義として最も効果的な補正は反身、屈身です。これは前後のバランス調整の事で、ここがうまくいっていない場合正しくゆとりを設定する事ができません。どういう事かといいますと、猫背気味 (また服にその症状が出ている方) というのは、屈身の補正 (前身を後身に対して短いバランスにする) を入れていないと、前側のゆとりが不足しがちとなります。この辺りについては、別ブログにて深堀していこうと思います。

いかがでしたでしょうか。

4名のお客様のスーツを、シルエットの違いという観点を持ってご紹介いたしました。オーダースーツとは、オーダーを受けてから作るスーツの事であり、オーダースーツ＝良いスーツという事ではありません。EGRETは同じ生地をお使いしても、ここまで違うのか？と実感して頂ける型紙構成が強みのオーダースーツ店です。是非、姫路市で拘った洋服をお探しの際には、一度お問合せいただけますと幸いです。