シアサッカー素材でオーダースーツ【3つの夏スーツを作るポイントとは?】
夏にスーツ、夏にジャケット。そう聞くと、暑苦しいイメージがあられるかもしれません。
日本のジメジメとした炎天下のなか、裏地のしっかりと貼ったダークスーツに白いシャツ、ネクタイを絞めたスタイルで歩くのはいささか無理があるように思います。湿気の少ない地域ならいざ知らず、季節や場所に合わせた洋服であるべきです。
本日は、“夏スーツ”と題してお客様の仕上がったオーダースーツをご紹介いたします。
夏スーツを作る上で大切になってくるポイントを3つ挙げていますので、是非最後までご覧ください。
・素材の薄さと織り方
・軽やかな仕立てに
・サイズにゆとりをもたせる
素材の薄さと織り方
なるべく暑くならないスーツを作るとき、まずは素材選びが重要です。
生地の重さ (≒厚さ) の単位である目付 (めつけ) の数字を低い物を選ぶほど、生地が薄くなるので涼しくなります。あまり薄くし過ぎると耐久性が下がってくるので、220~250gくらいが良いのではないかと個人的には感じています。
織り方に関して、カジュアルスーツであれば画像のようなシアサッカーという凹凸があり、肌とスーツの接着面の減らした生地がこの時期との相性が良いです。見た目からも涼しく着用者も涼しい生地がシアサッカー。最近、ウール素材で織り上げたシアサッカーも登場していて、シルエットも綺麗にお作りし易くお勧めです。
ビジネス向けでお考えであれば、ネイビーやグレーの色合いで目付が低い物を意識しながら、通気性・耐久性の上がる“平織り”を選ぶのが適しています。
軽やかな仕立てに
生地が薄くても、分厚い芯やパッドを入れるのは現代的とは言えません。
現在では薄くても綺麗に作りやすい芯地や、副資材を入れなくても綺麗に仕立てる方法が確立されてきています。裏地や芯が入っていないものは、高い技術力が求められますが、薄く仕立てれるだけ涼しく過ごす事ができます。
サイズにゆとりをもたせる
軽やかな仕立てにも共通する部分ではありますが、ヒップや腿という汗をかき易い部分に“ゆとり”を持たせることでべた付きを抑える効果があります。スキニーパンツを履かれる方は実感されていると思いますが、風の通らない細いパンツは暑くて蒸れやすいですよね。
タックを入れつつ、ゆとりを入れたパンツは夏スーツにマストです。
セットアップ、とも呼ばれるカジュアルスーツは、それぞれジャケット・パンツ単品使いもできる便利な洋服。
既製品でも多く登場しているなか、オーダーをするメリットは二つだと考えています。
・自分の気に入った素材・デザインに作れる事
・肩に乗った軽い洋服に仕立てれる事
そんなお洋服をお求めの方は、是非一度お問い合わせいただけますと幸いです。
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