ジャケット単品オーダーが姫路で人気です。FERLAのコットンナイロンジャケット
当店、〝オーダースーツ”をメインに取扱いしておりますが、ジャケットも人気のオーダーアイテムです。
職場のジャケパンスタイル用にオーダーされる方、プライベートだけに着用されるようオーダーくださる方と幅広いニーズに合わせてご利用いただいています。
スーツとジャケットどう違うの?
と聞かれることが多くあります。
スーツはジャケット+スラックス (+ベスト) の集合体で、スタイルの事でもあります。なので、スーツのジャケットをジャケパン用に使用できないことはありません。
しかし、、、
しかしです、ジャケパンはスーツと比べスポーティ (カジュアル) な着こなしなので、フォーマル過ぎる素材のスーツだとチグハグな印象になり、あまり格好良いものではありません。せっかく良い上着なのに格好良くないと勿体ないですよね。
ジャケパンというスポーティな着こなしには、スポーティな生地や、デザインのジャケットが良く似合います。
では、スポーティな生地とは何?
代表格としては、糸が太いものや、織りが甘い (質感がザックリしている) もの、コットンやリネン (麻) などのカジュアル素材のものが挙げられます。
スーツは基本的にウールで作られていて、その中でも梳毛 (そもう) といい均一に細く長い繊維の使用が一般的です。対してあえて均一にせず短く太い繊維を使用したものを紡毛 (ぼうもう) といい、ツイードなどのスポーティな生地になっていきます。
このようにフォーマル度を (ある程度) 下げるわけです。
織りを甘くする、コットンやリネンも同様で、こういった素材がジャケパンには適しています。
本日、ご紹介するジャケットも、織りが甘い&カジュアル素材でお作りさせていただきました。
FERLA (フェルラ) のコットンナイロンジャケット
使用した素材はイタリア高級生地メーカーであるフェルラのもの。
フェルラは1857年創業のミル (織元) で、イタリアの生地名産地ビエラ地区で創業しています。複雑に素材をミックスさせることを得意としており (ウール70% リネン20% ナイロン10%とかですね) 、複合素材ならではの豊かな色彩や質感を作り出してます。
ちなみに、マニアックな話ですが、、、
複合生地には混紡、交織、交撚、交編と分かれています (私も最近知りましたが) 。混紡は糸になる前の繊維の段階で素材を混ぜることで、交織は別々の素材の糸で織ること、交撚は別素材の糸を撚りをかけて双糸を作り生地を織ること、交編はニット素材で経糸と横糸違う素材を使用することです。意味が伝わりにくいかと思いますが、定義がそれぞれ分かれているという事です (笑) 。
どうしても判別付かない生地の時もあるので、そういった場合ブログ内での表記は複合素材やミックスという表現をしているはずです (笑) 。間違った表現はしたくない鳥形でした。
本題にもどると、今回のジャケットは太い糸を使い、甘く織られた〝交燃”の生地を使用しています。コットン糸にナイロン糸を混ぜることでナイロンの光沢と耐久性を得ることができます。
この素材を混ぜたからこういった生地ができる、そんなことを考えてワクワクするのは私がオタクだからでしょうか? (笑)
オーダージャケットのディティール解説
良い洋服の条件のひとつに、いかに〝丸く作るか?”があります。平面である生地をいかにして立体の人体に沿わせて作れるかがパターンの良さであり、職人による縫製技術の高さによるものがあります。
なかなか画像では伝わりにくいのですが、バストやウエストの丸さが際立って見えると思います。
スポーティな雰囲気に合わせるため、腰ポケットはパッチポケットという張り付け式のデザインにしています。ステッチ巾が広くすることもスポーティさを強調させます。
今回のフラワーホールは特別仕立てのものにさせていただきました。お仕立て時は試験段階のディティールでしたが、現在はオプションとして受け付けておりますので気になれた方は是非ご利用ください。
いかがでしたでしょうか?
ニュアンスのある素材感が格好良いなあと思いながらブログを書きました。
自分用のジャケットが10日頃に仕上がり予定なので、そちらも撮影してブログにしていきますね。かなり格好良くなるかと思いますので、お楽しみにしていただければ幸いです。
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