【鳥形の私物】ホワイトデニムトラウザーズは万能につき。
紳士服の歴史はカジュアル化の歴史であるとは、当ブログでもよく取り上げています。タキシードは本来カジュアルに着用するために作られた洋服でありましたが、現代において着用機会のそう多くないフォーマルウェアになった事からも分かります。
スーツも同じように、ビジネスの基本服だった時代から着用比率が下がっており、ジャケットスタイルが増えたという方も多いのではないでしょうか。かくいう私も365日スーツを着用していた時期もありましたが、現在ではお客様にイメージを体現するためにジャケットスタイルで過ごす事が増えてきました。
スーツで使用する生地にはトラウザーズにも耐えうる強さが必要となりますが、ジャケット単品であればソフトで柔らかな生地もお使いいただけ、それだけリラックスした雰囲気のスタイルを作る事が可能です。
今日の鳥形はブラウンのチェックジャケットにホワイトデニムトラウザーズ、モックネックニットというスタイルです。ジャケットはウール100%ながら、甘く織り上げ起毛感を出したソフトな風合いが魅力的で、2022年2月頃に仕立てたものです。3シーズン目となりますが、トレンドを意識したものではございませんので古くならないのはクラシカルな仕立て服の強みでございます。
ソフトな素材を活かして、アンコン仕上げにしておりますので、まるでカーディガンを纏っているような柔らかな着心地です。
ホワイトのボトムスとなれば、春夏の季節を意識される方もいらっしゃいますが、多少黄成りがかったものであれば秋冬でも問題ありません。
こちらは以前ご紹介したBRISBANE MOSS (ブリスベンモス) のKIPLING (キプリング) シリーズのECRUカラーのもの。ブランド初となる英国産100%オーガニックコットンを織り、仕上げまで全て英国内で仕上げたという意欲作です。目付は580gとかなり厚みのある生地ですので、夏以外の3シーズンご着用頂けます。
詳しくは別のブログでまとめておりますので、こちらをご覧ください。
【BRISBANE MOSS “DENIM TROUSERS”】パンツが起きる、寝るという話も少し。
ホワイトトラウザーズは汎用性が高く万能なアイテム。先のジャケットからこのようなミリタリーブルゾンや、軽いシャツスタイルにもハマります。トップスの色味も白以外であれば基本どんな色味でも合わせて頂けます。
唯一難点として汚れが付きやすい事ですので、対策として水洗いできるものにして汚れた後ケアしやすくしたり、防水スプレーを予め吹きかけて汚れの予防をするとよろしいかと思います。
後は少しの汚れは気にしないという事です (笑) 。特にパンツの裾の内股部分は靴墨に当たる事で多少汚れます。あまり目立たないところを気にしてはいけません。
靴は当店取扱いのものではなく、HANさんという靴職人の方が作られているものでミュージアムカーフを使ったコインローファーです。当店取扱いしている靴メーカーのSさんとも偶然にも親交があられ、同門出身だそうです。服好きであり、靴好きでもある鳥形は他社ブランドを知ることも大切だと感じています。
いかがでしたでしょうか。お客様より“鳥形の私物紹介”カテゴリをよく見ていますよとお聞きしたので、これからも新しく仕立てたもの以外でも定期的にブログにしていこうと思います。ご期待くださいませ。
装う事で洋服がもっと好きになる、そんなお仕立て服をお作りしてまいります。
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