“手縫いのプレステージオプション”を使ったオーダースーツ 【名作 FOX BROTHERS “FOX AIR”】
姫路のオーダースーツ店EGRETでは、MTM (メイドトゥメジャー) とBespoke (ビスポーク) の取扱いがございます。それぞれパターンオーダー (イージーオーダー) やフルハンドメイドオーダーと呼ばれるこれらは、お客様のご要望に合わせてお選び頂いております。
本日はMTMであっても、ハンドメイドの強い拘りを持たせたプレステージオプションを使い仕立てたスーツのご紹介です。
以前Instagramでこのような動画をアップしておりまして、これは背中心と肩部分のクセ処理を行っています。
プレステージオプションでは通常とる肩線部分のイセ込みをさらに大きく分量を取ります。後身頃の大きな肩線をクセを取ってから縫製する為、自然と肩先が前に降られより立体的なシルエットを構築することが出来ます。
同様に袖のイセも増やす事で小さなアームホールに可動域の大きな袖を付けられ、肩イセ同様に着心地を上昇させることができます。
一般的な襟付けは地衿と上衿を成形したのちにミシンで接いでいきますが、本襟掛けでは裁断したものをクセ処理し、地衿と上衿に分けて身頃に据え付けていきます。裁断後にクセを取るため、横地が通りチェック柄等では綺麗に柄が合うだけでなく、身頃とのバランスを見ながら据え付けられるため、首への吸いつきがさらに良くなります。
加えてゴージラインをカーブさせ、見た目も美しくなります。洋服づくりでは平面を立体にいかに仕上げるかが大切です。
着用したのがこちらです。当店のMTMは非常に完成度の高い型紙を使用しており、スタンダードなお仕立てであっても着心地の良さに定評を頂いておりますが、その上をいくのがプレステージオプション。
英国FOX BROTHERSの名作、FOX AIRという目付300g程度のしっかり目の生地ですがとても軽く感じます。見た目も美しく、大変気に入りました。しばらく店舗に飾っておりますので、ご来店頂いた際には是非ご覧ください。
仕立ての良い美しい洋服をお探しの際には、是非一度お問い合わせいただけますと幸いです。
鳥形の私物紹介の関連記事
- 鳥形の私物紹介
【DRAGO “SKYFALL”】ラグジュアリーなのにスポーティSuper180'sのオーダースーツ
気付けば3月も中旬に差し掛かり、昼の日差しは春を感じるようになってきました。気温でいいますとフランネルのスーツを着用していても問題ないかと思いますが、春気分の店主は次の休みの日にでもクリーニングへ出して衣替えをしようかと思っています。 クリーニングには全く出さないという方もいらっ...
- 鳥形の私物紹介
【ZEGNA “CASHCO”】カシミヤをブレンドしたラグジュアリーなコットンスーツの世界。
コットンスーツ、それもチノクロス生地を使ったものと聞くとどんなイメージがあられるでしょうか?チノパンのようなバリっとして固いイメージを持たれる方も多いのではないでしょうか。 Ermenegildo Zegna (エルメネジルド ゼニア) が作るCASHCO (カシコ) はそんな想...
- 鳥形の私物紹介
【鳥形私物】SCABAL “CLASSICS” を使った三つ揃いスーツ
仕立ての世界ではよく言われている事ですが、1着目のご依頼よりも2着目、3着目...と回を重ねるごとに自分に合ったスーツに完成度が高まっていきます。難しいのは、一つを修正するとそれに付随して別の問題が出てくる場合があるところです。もう何十着と仕立てている自分用のものであっても、生地...
- 鳥形の私物紹介
【鳥形の私物】ホワイトデニムトラウザーズは万能につき。
紳士服の歴史はカジュアル化の歴史であるとは、当ブログでもよく取り上げています。タキシードは本来カジュアルに着用するために作られた洋服でありましたが、現代において着用機会のそう多くないフォーマルウェアになった事からも分かります。 スーツも同じように、ビジネスの基本服だった時代から着...
- 鳥形の私物紹介
サファリジャケット MTMパターン紹介 fabric by HUDDERSFIELD “ESKDALE TROUSERS”
EGRETはスーツを中心としたオーダーアイテムをご用意いたしておりまして、カジュアルなジャケットやブルゾンのMTMも顧客様にご支持頂いております。今回、新たにご紹介するのはサファリジャケットです。 サファリジャケットは19世紀に広まった、狩猟やアフリカでの探検等の際に着用するサフ...
- 鳥形の私物紹介
ARISTON (アリストン) “DOUBLE FACE” ダブルフェイス生地でたっぷりと優雅なオーバーコート
少しウィットが富んでひねりが加えられながらも、コーディネイトしやすいオーバーコート。 そんなテーマを持って、自分用に仕立てたコートを本日ご紹介いたします。 選んだ生地は、ARISTON (アリストン) のオーバーコート生地。ARISTONといえば、イタリアはナポリのマーチャン...