EGRETならではのオーダーアイテム “軽さとシルエットの良さを追求”

スーツやジャケット、コートといった様々な洋服をお作りしているEGRETが考える良い洋服の条件はいくつかあり、最も大切にしているのが着やすくてシルエットが美しい事 (単純に見て格好良い事) 、です。この2つを実現させるのは難易度が高く、基本的なバスト・ウエスト・ヒップ・着丈・袖丈 etc といった寸法だけでなく、身体のクセを考えた洋服設計をしなければ実現しません。
ジャケットのボタンを開けたら、打ち合いが大きく広がる洋服を見ることが多いですが、これは肩の傾斜や前肩具合と洋服とが合っていないのが主な原因です (単純にウエスト寸法が足りていない可能性も有り) 。肩に合っていないので重く感じ、着心地はよくありません。
ただし洋服の不具合を見つけ改善し着心地を上げる事に注力しすぎると、格好良さが損なわれる事もあります。スタイル抜群の方であれば身体に合わせるだけで格好良くなりますが、店主の私含めそういう訳にはいかない方の方が多いです。ある意味で相反する要素を突き詰めていくのが、私たち洋服屋の腕の見せ所であり、研究し続ける部分でもあると思います。
この2つを併せもった洋服はクラシックで不変的ものとなり、長く愛用しても廃れる事はありません。
とはいえです。
時代性も取り入れていくべきだともEGRETは考えます。100年前と今とでは生活様式は異なりますし、ここ数年でも大きく変化をしました。いつぞやのブログでも書いておりますが、洋服の歴史はカジュアル化の歴史でもあります。タキシードが夕食を食べるカジュアルな洋服だった時代から、現代では極々フォーマルなものに変わりました。クラシックだからと時代から取り残されてしまうと、コスプレのように見えてしまいます (それはそれで格好良い物ですが) 。時代性ばかり取り入れるとすぐに廃れてしまうというジレンマもあり、良い塩梅を狙わないといけません。
EGRETの基本ベースとしてはクラシカルなものにありますが、より軽さを追求した洋服もお作りをしています。
それがこちら。力芯、伸び留めテープ、パイピングテープといった一部裏地を除く、副資材を排したとても軽い洋服です。
カーディガンやシャツに近いお仕立て方法になりますが、このシルエットの綺麗さを作り出します。成形を助ける裏地が付いていないとは思えない美しさだと思います。
通常の洋服同様に体型に沿わせるアプローチも行っておりますので、洋服自体の軽さと肩に沿わせる事による重量の分散という相乗効果で、とても軽い着心地を実現させています。
こちらもベージュのスーツ同様に副資材をほとんど付けないアンコン仕上げ。手前味噌ながら、丸さが際立ち、上から下に流れる美しいシルエットです。
この通り至極軽やかなお仕立てです。この仕立ての懸念としては、裏地が付かない事で生地次第にはなりますが、裏地が無い物と比較してシワが入りやすくなります。シワが入ったら入ったできちんと仕立て着用している洋服は格好良いのですが、気になられる方はフレスコ素材といったシワになりにくい素材を選ぶのがベターかもしれません。
三つ揃いのスーツであれば裏地や芯地を付けたスタイルのほうが優位だと思いますので、軽やかでスポーティなスーツやオッドジャケットといった場合においてはこのアンコン仕上げも時代性を上手く捉えておりよろしいのではと思います。
兵庫県姫路市で拘った洋服をお考えの方は是非一度お問い合わせ頂けますと幸いです。
また明日もブログ更新してまいりますのでご期待ください。
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