SMITH WOOLLENS(スミスウールンズ)メリノ種最高ウールのオーダースーツ
![SMITH WOOLLENS(スミスウールンズ)メリノ種最高ウールのオーダースーツ](/assets/img/blog/20210125_thumbnail.jpg)
こんにちは、月に約1着ずつスーツが増えていっている関係で、家のクローゼットが大変なことになっている鳥形です。
好きこそものの上手なれ、というようにスーツが好きすぎて生地を見てイマジネーションができるとすぐにオーダーしてしまいます。店に着分で置いている生地はほとんど私の好みなので、毎日欲求を抑えるのに必死です。もう病気ですね(笑)
今回仕上がった生地は3か月我慢していたのですがダメでした...。
という訳で本日のブログは私物スーツのご紹介。
SMITH WOOLLENS
SMITH WOOLLENS(スミスウールンズ)のBOTANY(ボタニー)というコレクションの生地を使用しました。スミスウールンズは最近のお気に入りです。
英国を代表するハリソンズを有するLBDグループの中でも、高いクオリティと上品な表情からエグゼクティブな層から支持を集めるのが、1921年ロンドン創業のスミスウールンズ。ロンドンの雄と称されることも多いです。
その中でもボタニーというコレクションは目付380~410gというヘビーウェイトなスーツ生地で、クラシカルな色柄ものが並びます。名前の由来は使用されているボタニーウールから。ボタニー港で船積みされていたオーストラリンメリノ種のことで、同種最高品質と評価されています。
そもそもウールの良し悪しって?
これは良い生地です、上質です、という言葉って世の中にあふれ過ぎていますよね。そもそもウールの良し悪しは、着用者の物差しによって変わってくるものです。つまり、そのウールを使ったスーツを着てどうしたいか?どう見られたいか?が大切になってきます。
ピカピカと光沢のある細番手のウールを求める人からすると、スミスウールンズのボタニーは良いウールとは言えないでしょう。しかし、弾力がありコシのあるボタニーは、裾からラペルにかけて駆け上がるような綺麗なロールに、フォルムの美しさを作り上げることができます。仕立て映えを求められる方には大変良いウールだということです。
ナポリを感じさせる軽い雰囲気
今回のスーツはイタリア南部のナポリの軽さを感じさせるような雰囲気でお仕立てしました。ガッチリとした英国生地でナポリの雰囲気って面白いでしょう?スーツを羽織るとそれまであった生地の重さが嘘のように、肩に乗った軽さを実感できます。
低めのゴージにラペル先が起き上がるセミノッチドラペルにはダブルでAMFステッチを掛けています。ラペルの返り、お腹周りの立体感も非常にきれいです。
軽さを出すためにマニカカミーチャという袖付けを採用しています。イタリア語でシャツ袖という意味で、マニアックな話でいうと身頃と袖との縫い代の倒し方向が普通と逆で、身頃側に倒します。これにより袖に身頃が乗っかかる状態となりストンとした落ち感のある袖になります。ナポリのスーツに見られるややカジュアルな仕様ですね。
いかがでしょうか?スミスウールンズ、ボタニーの私物オーダースーツをご紹介しました。良いスーツは画像では伝わりにくいので店頭にお越しの際は是非チェックしてみてください。
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