お客様の写真 - 式典にふさわしいクラシックな一着を。SCABAL「MAJESTIC」で仕立てたグレイッシュブルーの三つ揃い

2025.04.16式典にふさわしいクラシックな一着を。SCABAL「MAJESTIC」で仕立てたグレイッシュブルーの三つ揃い

姫路市にお住まいのF様よりご依頼いただいた一着をご紹介いたします。

20代後半のF様は、お仕事用というよりも、お宮参りや各種セレモニーなど、フォーマルな場面で着用できる上質なスーツをお探しとのこと。「せっかくなら少し特別感のあるものを」とのご希望のもと、EGRETへお越しくださいました。

お選びいただいた生地は、英国SCABAL（スキャバル）の「MAJESTIC」シリーズ。

Super100's・目付260gと、数値だけを見るとごく一般的なクオリティに思えますが、選定された原毛の良さ、織り技術の高さによって生まれる深く上品な艶が最大の魅力です。

一目で高級感が漂いながらも、ギラついた派手さはありません。その中でもF様が気に入られたのが、グレイッシュなライトブルーの色味。ブルーとグレーが絶妙に混ざり合ったような、ありそうでなかなか見かけない色合いで、スーツ好きの方でも唸るような絶妙なトーンです。

トルソーに着せるだけでは艶感が分かりにくいですが、動くことで生まれる生地の表情をご覧いただくと、その違いは一目瞭然です。

ご着用いただいた姿がこちら。

E70 Clasicoモデルで、シングル3つボタン中掛けというクラシックなフロントスタイル。格式のある三つ揃い仕様で、身体を美しく包み込むシルエットが完成しました。

撮影中、「こんなに写真撮られるんですか」とF様。思わず撮りすぎてしまうほど、仕立て映えのする一着でした。笑

また、裏地にもF様ならではのこだわりが。

お選びいただいたのは、LBD社の“ソラーロ”裏地。ソラーロとは、経糸 (たていと) と緯糸 (よこいと) に異なる色の糸を使用し、表裏が違う色合いになるよう織られた生地で、見る角度や光の加減によって色が微妙に変化するという、奥行きのある表情を持ちます。ジャケットを脱がれたときや、ふとした仕草の際に表れるその美しさが、F様の一着に静かな個性を添えてくれました。

※シャツはサイズサンプルのもので体型に合っていません。ご了承ください。

F様の体型は、写真では判断できないほど細かなバランスに調整が必要でした。特に肩幅や傾斜に関しては、職人と細やかなやり取りを重ねながら型紙を設計しています。その結果、肩まわりに無理なくフィットし、自然な流れを保ちながらも凛とした構築性のあるシルエットに仕上がりました。

全体でいいますと、しっかりとゆとりを持たせながらも、脚は長く、ウエストはほどよく締まって見えるようにお作りし、F様からは

「ここまでサイズの合うスーツは初めて。スタイルが良く見えるし、他ではこういうスーツはなかなか作れないですね」

という嬉しいお言葉をいただきました。洋服屋冥利に尽きます。

今回がF様にとって、初めてのオーダースーツとのことでしたが、仕立てを通して「着ること」の楽しさや、「装い」の意味を少しでも感じていただけていれば嬉しく思います。

このたびはご依頼、誠にありがとうございました。