【クラシックで正統派なネイビー】オーダースーツで叶える理想のシルエット – N様の事例 –

クラシックで正統派なスーツの色といえば、多くの方がネイビーを思い浮かべるのではないでしょうか。ネイビーは、元々海軍を指す言葉であり、海軍の制服に採用されていたことからこの名称が付けられました。現代においても、ビジネスシーンやフォーマルな場に欠かせない色として定着しています。
男性の礼装において最も格式が高い正礼装は、昼はモーニング、夜はテールコート (燕尾服) です。次に準礼装として、昼はディレクターズスーツ、夜はタキシードがあり、略礼装では昼夜問わずダークスーツが該当します。日本における略礼装は、一般的に濃染加工を施したブラックスーツ (礼服) が主流です。
出典: i.pinimg.com/
写真の中央に映る方はブラックのタキシードを着用されており、左の方はミッドナイトカラーのタキシードを着ています。ミッドナイトが誕生した背景には、当時の照明のもとでは黒がそれほど暗く見えなかったため、より暗く見える色を求めた洒落者のリクエストがあったと言われています。
スーツを仕立てる際、一般的に色が暗いほどフォーマル度が高まります。そのため、本日ご紹介するN様も、どのトーンのネイビーにするか悩まれていました。スーツの着用シーンを考慮し、ご自身の立場や年齢、どのような印象を与えたいかを基に最適な選択を進めていきます。
ちなみに、この一番暗い色がミッドナイトかというと、実はそうではありません。
こちらの写真の下側の生地がミッドナイトです。上側のブラックと比較することで、その微妙な違いが分かりますが、単体で見るとほとんど黒に見えます。
また、先ほどの一番暗い生地 (右側) と比べても、その暗さが際立っています。そのため、あまりにフォーマルに見えるミッドナイトはビジネスシーンにあまり向いていないかもしれません。
多数のネイビーの生地を吟味された結果、N様が最終的に選ばれ、仕上がったのがこちらのスーツです。経糸と緯糸に若干異なる色味の糸を使用したツイル織りで、表裏の色の出方に違いがあり、深みのある印象を与えます。
N様の凛々しいスーツ姿をご覧ください。(シャツはサンプルのため、ネックサイズや裄丈が合っておりません。ご了承ください。) バストに対して肩幅がしっかりとしているためフィット感を気にされていましたが、『悩んでいた箇所もしっかり仕上げて貰えていたので着心地がとても良いです』とお喜びいただけました。
N様はバストとウエストにメリハリのある体型をされているため、スーツのウエストをさらに絞ることも可能でしたが、バランスと美観を考慮し、N様とご相談しながら程よいシェイプ具合に仕上げました。スーツは身体にぴったり合わせるか、全体のバランスを重視するか、どちらの選択も正解であり、お客様との対話を重ねながら最適な形を作ることが大切です。
「オーダースーツは2着目からさらに気に入ったものになっていく」という言葉があります。これは、実際に着用してみることで分かるフィードバックや、自分の価値観とのギャップを埋めていく過程が影響しているためです。カジュアル化が進む現代においても、スーツを通じて魅力的に見せたいと考える方が増えており、当店にも多くの方がご相談にいらっしゃいます。こだわりの装いをお考えの際には、ぜひ一度EGRETまでお問い合わせください。
最後になりますが、N様、この度はご依頼いただき、また掲載の許可を誠にありがとうございました。ご着用後に気になる点やご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。今後ともよろしくお願いいたします。
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