STEFANO RICCI 2020 Autumn & Winter
こんにちは、姫路のオーダースーツ店EGRETの鳥形です。
イーグレットフライデーに引き続き、イーグレットウェンズデーのコーナー(水曜日にブログ更新するだけ)がやってまいりました。本日の話題は新しく取扱いを始めたネクタイブランドSTEFANO RICCI(ステファノリッチ)について、深堀りしていきたいと思います。
ステファノリッチについて
ステファノリッチは、イタリア人であるステファノリッチ氏によって、1972年にイタリアのフィレンツェで誕生したブランドです。同氏は1987年に設立されたクラシコイタリア協会の初代会長として、イタリアファッション業界の発展に寄与し現在でも多大なる影響力を持つ人物です。
日本未展開ですが、ネクタイ以外にもスーツやシャツなども展開していて、日本代理店の営業さん曰く『直営店はラグジュアリー過ぎて入店するのを躊躇してしまう』ほどだそう。コロナが落ち着いてイタリア出張に行った際は肩をきって入店してやろうと画策中です(笑)
そんなステファノリッチを取扱ったきっかけは、ステファノリッチ代理店からの営業電話。春先にタイユアタイを取扱いを始めてから、良いお話をブランド側から頂くことがでてきて、有難いことです。イーグレットが少しずつステップアップしている証拠ですかね。
ステファノリッチの良いところ
ステファノリッチ取扱い以前までの当店ネクタイは3種類でした。国内縫製しているオーダーのネクタイ(生地は国産とイタリア産)と、既製品のネクタイでAlbeni1905(アルベニ)とTie your Tie(タイユアタイ)。
・ネーム刺繍を施したり特別感のある長さや形を求められている方に国産のオーダーネクタイ
・こなれた価格とイタリアらしい色合いのアルベニ
・ハイクオリティな手仕事によるセッテピエゲネクタイ(※特殊な製法)のタイユアタイ
棲み分けとしてこんな感じで考えていたのですが、新しく取扱うステファノリッチの位置づけとしてはアルベニの1ランク上のクオリティを求められる方へのネクタイでしょうか。
アルベニは元々有名ブランドのOEM(製造請負)出身で、芯地の作成に定評があり14,300円辺りの価格帯とは思えないクオリティの良さを持っています。対してステファノリッチは1本33,000円 (税込)~。価格が違えば使える生地や縫製の手間が変わり、当たり前ですがクオリティが変わってきます。WEBの写真で比べただけでは分かりにくいですが、実物を比べてみると、、、です。
ステファノリッチは一言でラグジュアリー。上品で高級感があり、ステファノリッチのネクタイを選ぶことでスーツスタイル全体が格上げされるような感覚にもなります。
しかし、ステファノリッチを選ぶうえで注意しないといけないことがあります。
ステファノリッチの注意点
ステファノリッチの注意点はネクタイ巾。スーツの着こなしの基本はジャケットのラペル巾、シャツの襟巾、ネクタイ巾の3つが近い数字であればあるほどまとまりが生まれ良しとされます。ステファノリッチの一部ネクタイの巾は9.5cmで、一般的なネクタイ巾の8とか8.5cmと比べてやや広め。巻いてみるとコーディネイトが難しく、細身のスーツにはあいにくいんですね。
なので、、、当店でのセレクトは8.5cmのもののみ。ステファノリッチといえばプリーツタイというプリーツ(折り目)がついた形が有名なのですが、これは9.5cm巾だけだそうで断念(数百単位でオーダーしてくれたら別注で8.5cm作りますよ、と言われましたがそこまでの規模は当店では難しい笑)。プリント物も9.5cmなのでこれまた断念して、8.5cm巾のジャガード(織りで柄を表現した物)のみ店頭に並べます。シーズン途中という事もあり、今回は厳選5本。
良い物は良いが体現されたネクタイ
(先日、京都のフォーシーズンズホテルのアフタヌーンティーに行ったときにパシャリ)
取扱うにあたり1本自分用に巻いていますが、まわりの経営者やその奥様からの評判は上々。自分からアピールしていないにも関わらず『綺麗な色合い、上品で良さそう、高そう』そういったお言葉を頂きました。
お勧めないですか?と聞かれれば”全部”と言えるくらいに、ネクタイ選びに定評のある鳥形が1時間かけて数百本の中からセレクトした5本。是非実物を見にいらしてください。
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