【HARRISONS ,SMITH WOOLLENS , Maison Hellard】2024年春夏の仕入れが進みます。
年の瀬も迫ってきておりますが、EGRETでは年内最後の2024年春夏シーズン服地の仕入れを行いました。
仕立ての世界は、仕上がりまでお時間を頂戴しますので冬の季節であっても春夏をイメージされてご依頼頂く方もいらっしゃいます。季節の洋服はお仕立てしても、決してトレンド性のあるものではありませんので、いつ作っていただいても来年以降も古くなることなくご愛用頂けます。昨年も春に冬物のコートをお仕立ていたしました。
HARRISONS
それでは早速英国の名門HARRISONS (ハリソンズ) の春夏のご紹介。
注目は2018年に登場し、今回リニューアルされたSEA SHELL (シーシェル) です。一見すると普通のリネンではございますが、55% TERYLENE (テリレン) という合繊繊維が混ぜられています。合繊繊維の特徴である強さ、防シワ性を兼ね備えたリネンのコレクションです。
TERYLENEが55%入っているからと見た目、質感は合繊繊維らしさはなく、全くのリネンです。個人的にはシワが入るのもリネンの魅力だと考えておりますが、リネンの質感そのままメンテナンスが楽でデイリーユースしやすいのも魅力的なことに間違いありません。特に薄い色味でトラウザーズをお仕立てされたならば、気になるのが汚れでありTERYLENEの汚れにくい強みが発揮される部分であります。
目付も360gとしっかりとしたものがありますので、仕立て映えする英国生地かと思います。
全体に落ち着いたトーンの杢生地が多くを占め、スーツとしてはもちろんの事、オッドトラウザーズとしても春夏に活躍していただけます。SEA SHELLの強みを活かして白のトラウザーズを個人的に仕立てる予定です。
10年近く前まで展開されていた春夏のジャケットバンチが復活します。その名もSUNBEAM (サンビーム) といい、当時のクオリティはウール×シルクでしたが、復活に際しウール×シルク×リネンの三者混生地に進化しました。より春夏らしい清涼感のある風合いが生まれます。
当店で展開するかは未定でございますので、気になられた方がいらっしゃいましたらご一報ください。
SMITH WOOLLENS
SMITH WOOLLENS (スミスウールンズ) からは名作SOLARO (ソラーロ) がリニューアルされます。東インド会社時代に作られた歴史ある生地で、春夏服地なのに目付350g程度、色味もアースカラーとよっぽどの服好きでなければオーダーされないマニアックなシリーズです。
そのSOLAROに念願のブルーが登場しました。やや明るめのブルーのヘリンボーン生地ですが、ORIGINAL SOLAROとして初めての試みですのでお試しいただきやすいのではないでしょうか。
こちらも初登場となるコットンソラーロ。ソラーロの特徴として表裏違う表情かと認識していたのですが、こちらは何故か同じ見た目でして、SMITH WOOLLENS曰くこれがソラーロに間違いはないと言われている謎生地でございます (笑) 。質感は良いのでカジュアル使いのコットンセットアップによろしいのではないでしょうか。
Maison Hellard
最後に、フランスの気鋭のブランドMaison Hellard (メゾンエラール) 。現行のコレクションは継続で限定物としてソリッドのブラック、チャコール、カーキ、ベージュが展開されるのですが、私痛恨のミスで写真を撮り忘れております。。。日本では21冊限定だそうでので、到着を楽しみしていただければと存じます。
また、写真のものはカシミヤのジャケット地です。日本全体で6店舗くらいの取扱いだそうです。良いお値段の生地でしたので当店取扱いはしませんが、気になられた方は取り寄せしますので都度ご連絡ください。
いかがでしたでしょうか。2024年春夏服地を先見せさせていただきました。バンチの入荷は来年1月~3月にかけてになるかと思いますので、英国、フランスから到着次第詳細をブログでまとめてまいります。
さて、本日はクリスマス。クリスチャンでも何でもない鳥形ではございますが、家族でチキンとケーキを食べようと思います (笑) 。
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