【オーダー靴の拘り】日本人に合わせて考え抜かれた木型と、縫製について。
靴メーカーのSさんをお招きして、開催しているオーダーシューズフェア。接客の合間にブログを更新中です。
良い靴の条件とは様々ありますが、木型というポイントで見るといかに足に合ったものなのかが重要になってきます。
まずはこの2足の靴をご覧ください。
左のグリーンの靴は2016年Sさんが創業当時に作成したサンプルで、右のグレーの靴が最近のもの。
この赤丸部分を見ていただきたいのですが、左のものに比べて右の靴は深く沈んでいるのが分かるかと思います。自分の足を触っていただくとこの部分、通常凹みが出ていますので、木型に沈みを付ける事で、より足に合った形となります。
しかし、この沈みは木型で設定することは出来ても縫製部分においてハンドを使って行わなければ再現することが出来ません。国内で有数のグッドイヤー (ハンドソーンもオプションで化) を扱うメーカーだからこそ出来る技術力の高さです。それでも木型への適応が出来ていたなった初期は左のように仕上がってしまったとの事。縫い目のないところを立体的に仕上げるのは難しい事です。
スーツ同様、直線的なものよりも美しく曲線を描いていく事で靴は良い靴に近づいていきます。
こちらSさん。17日 (日) は17時ごろまで当店におります。
Sさんが本日履かれている靴は、スウェードとクロコの型押しカーフのコンビ靴。グレーとグラデーションのかかったネイビーの色使いが洒落ております。
こちらは鳥形が履いているブラウン同色でスウェード×シャークスキンのコンビローファー。とても合わせやすくこの時期は週一選手で履いております。
Sさんが明日履かれるオットセイの色違いの革を使ったコンビ靴。オットセイの靴を始めて見ましたが艶があり、独特な質感で中々にインパクトがあります。アザラシやオットセイの事をシールスキンといい、PRADAに買収される前のChurch'sでも使われていたので古くから靴に使われる革でした。履いてみると意外や意外、スタイルにすんなりと馴染みます。
組み合わせが素敵でしたので、この色違いのオットセイをコンビで個人オーダーしておきました。
ちなみに鳥形の明日はコニャック色のコードヴァン靴の予定です。
Sさん今イチオシの革は白い象革だそうです。
某H、某C、某Vといったブランドが使っている革があるなか (どこのブランドかは直接聞いてください) 、白い象革を選ばれるのは革コレクターSさんならではではないでしょうか。そのままの白色として使っても良し、グリーンやブラウンに染色しても良しな希少革です。象は大きく出たシボとマットで独特な質感、丈夫さが魅力です。
我らが姫路の革、姫路黒桟革も最高級の極シリーズで全7色で展開しております。自然本来に入ったシボの凸部分にのみ施された漆の艶が、角度によってキラキラと光ります。
エントリーラインの型押しシリーズを靴で使われているのを時々見かけたりしますが、極シリーズでのオーダーシューズを作っているのはSさんのみだそうです。
また、現在企画中の革も見せていただきました。中々に格好良いものでしたが企画中の為、一応モザイク有り。
いかがでしたでしょうか。JOHN LOBB、Edward Green辺りの靴を買われている方にも好評な当店のオーダーシューズ。拘りの靴を兵庫県近郊でお探しの方は是非一度お問い合わせください。
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