素晴らしきかなイタリアンカシミヤ 『LORO PIANA (ロロピアーナ) ，MTR (エムティーアール)』

2022.09.01素晴らしきかなイタリアンカシミヤ『LORO PIANA (ロロピアーナ) ，MTR (エムティーアール)』

本日より9月がスタート。9月といえば残暑厳しく暑い日が続くこともありつつ、オーダーの世界において秋冬のご依頼が最も多い時期でもあります。今年は生地の生産が諸々の世界情勢の関係で遅れに遅れておりましたが、9割方仕上がってきましたので秋冬のオーダーにはちょうど良いタイミングになってまいりました。

こういった新作服地の入荷はお客様以上に、店主自身が楽しんでおりまして、服地チェックという名の仕上がり妄想の日々をおくっております (笑) 。

数カ月前に生地を発注する際は、バンチよりもさらに小さな3cm角程度のサンプル生地しか無い場合もあり、実際にバンチになった時と印象の違う生地もあり、新たな発見があります。

紳士服地は流行による大きな変化がないからこそ、小さな違いを楽しめます。例えば同目付の同幅のヘリンボーンの生地であっても微妙な色の変化や、輝きの深さの違い、ハリコシの違いetc... このお客様にはこちらかな、、、なんて。服に興味がない人にとっては狂気ともいえる差を楽しんでいただけるのがオーダー服の拘りの世界です。

さて、本日も生地のご紹介をさせていただきます。

イタリアンカシミヤ『LORO PIANA，MTR』

イタリア製のカシミヤが2ブランド収録されたこちらのブックレット (ブックレットは見開きになっている生地見本帳のこと) 。

LORO PIANA (ロロピアーナ) と、Manifattura Tessile Risaliti (マニファットゥーラ・テッシーレ・リサリーティ) でございます。言わずと知れたロロピアーナは説明不要かと思いますが、通称MTRと呼ばれるこのブランドはあまりご存じでない方も多いのではないでしょうか。

Manifattura Tessile Risaliti (MTR) は、イタリアで有名な生地の産地ビエラ地区ではなく、トスカーナにあるプラートに拠点を置いています。MTRは家族経営の会社で (父親が創業し、息子に受け継いだ) 、毎年ファッションの流れを加味しながら世界中の繁殖農場を調査することから彼らの服地づくりが始まります。最も貴重な繊維を選択し、優れた生地を生産することがMTRの信念としてあります。

生地の原毛はすべて、モンゴル、南アメリカ、南アフリカ、オーストラリア、ニュージーランドなど、世界のさまざまな地域からトレサビリティを意識し倫理的に調達されている現代的な企業といえます。

今回のコレクションでは、MTRのピュアカシミヤ、ウールカシミヤ、ロロピアーナのピュアカシミヤが収録されています。どれもベーシックでクラシカルな質感・カラーパレットのラインナップなので、カシミヤの良さをまずはご体感いただきたい方にとって打ってつけのコレクションです。

是非、仕上がりをご想像いただきながら画像をご覧ください。間違いのないカシミヤのコート・ジャケットを楽しんでいただけます。