新入荷情報 - 『素材は面白い』ウール (毛) にコットン (綿) やリネン (麻) を混ぜるとこんなに変わる。〜カノニコのお家芸〜

2022.04.16『素材は面白い』ウール (毛) にコットン (綿) やリネン (麻) を混ぜるとこんなに変わる。〜カノニコのお家芸〜

EGRETは常時5000種類以上の生地を取扱いしているオーダーのお店です。

これだけあると求められる生地によっては、かなり近いイメージの生地はありますが、それぞれに個性があり用途が違うのは面白い所。生地メーカーによっては思わず唸ってしまうような、ユニークな生地も多くなります。

最近の流れでは、極細繊維の低番手糸の生地も各メーカー登場するようになりました。Super150、160といった繊維が細い高級な物は、高番手糸 (細い糸) にして思いっきり光沢を出していた所、あえて低番手糸 (太い糸) にして高級素材のヌメリ感を維持しながら厚手の生地を作るという事です。ハーディミニスやドラッパーズ、ドーメル辺りで見る事ができます。

他にも4PLY、6PLY、8PLYといった撚る糸を多くした生地も良く見られます。

そして今季！！

ユニークな生地で是非皆様にお勧めしたいのが、ウールにコットン、またはリネンを混ぜた生地。昨年あたりから少しずつ登場していて、恐らく来年以降も増えるであろうスポーティなシリーズです。

今までカジュアルやスポーティなアイテムを作る上での選択肢は主に2つでした。

一つ目は、コットンやリネンを100%使う、ないしはポリウレタンやナイロンを少量混ぜて織られた“ほぼそのままカジュアル生地”。

二つ目が、ウール60%・リネン30%・シルク10%というような三者混、ないしは四者混で甘織りの“風合い豊かなお洒落生地”。

今回の生地は、ウール83%・コットン17%という、メインのウールにカジュアル素材を混ぜて織られる“キチンと感のあるカジュアル生地”です。

この比率は今までだとモヘアで使われる事が多かったのですが、コットンやリネンというスポーティさが生まれる素材を混ぜることにより、カジュアル生地の風合いを残しながら、服作りをする上で大切な“しなやかさ”を担保しているというのがポイントです。

コットンやリネン100%で作るとハリと固さが残った服になりますが、紳士服テーラードの根幹ともいえる身体に沿った丸さを作り出しやすくなります。

ウール&コットン

2枚目、3枚目とコットンの比率が17%から40%に上がるとより分かりやすいと思いますが、コットンらしいハリのある風合いが強くなります。

ウール&リネン

リネンの節がうっすらと見えるようにカジュアルな風合いを残していますが、しなやかでアイロンが効きやすい事が触れて、お分かりいただけます。

今回、ご紹介したのはどちらもイタリア高級生地の雄、カノニコのものです。イタリアNo1の生産量を誇るカノニコらしいユニークさがでたお家芸ともいえる生地かと思います。

服作りにおいて、素材選びは重要な要素が詰まっています。

たくさん生地があるので、その分お客様も悩まれる事が多くなるかもしれませんが、それがオーダーの楽しさや醍醐味の一つ。もちろん、この姫路で最もスーツを愛していると自称する私、鳥形もお客様の状況やニーズに合わせてご提案させていただきますのでお気軽にご相談ください。