新入荷情報 - 【ちょっと割高】でも欲しくなるのが英国生地 MOON (ムーン) の希少素材です。

2021.08.02【ちょっと割高】でも欲しくなるのが英国生地 MOON (ムーン) の希少素材です。

生地の値段は様々な要因によって決定します。

単純にクオリティが高い物は値段が上がるのは当然として、ブランドイメージによる価格設定や、生地が期間中に売れず問屋に流れていき安くなる等同じ生地であっても様々です。

今回ご紹介する英国生地、MOON (ムーン) は一般流通しているものよりも少し割高な価格設定になっています。

『高いという事は損する。』

そう思われた方、少しお待ちください。

割高なのには理由があります。この理由があるから欲しくなる生地ですので、是非最後までご覧ください。

まずMOON (ムーン) という生地ブランドについて

MOON (ムーン) は180年以上の歴史を誇る英国生地ブランドで、アブラハム・ムーン氏によって設立されました。

ブランド設立時は、小さな手織り業者に糸を供給して生地を作る小さなブランドでしたが、徐々に供給量が増えてきた1868年に生地工場を建築し、生産を拡大していきました。

彼らは価格を安くする事よりも生地のクオリティに着目して歴史を歩んできました。現在でも糸の染色から、紡績、生地の仕上げまで工場内で一貫して仕上げるミル (織元) として、英国では大変希少な存在です。多くの同国ミルは糸の紡績は行っていません。

高いクオリティがデザイナーズブランドにも認められ、生地の供給先はバーバリー、ポールスミス、ラルフローレンとそうそうたる面々が並びます。その一端として、生地の拘りを込めた動画を公式YOUTUBEに上がっていましたので添付しておきます。

割高でも欲しくなる理由。

今回のMOONのセレクションが割高になる理由は、

“拘り過ぎた生地”だからです。

海外の生地は、ブランド側もしくは商社が仕入れをおこない各スーツ店に生地を卸すのが一般的です。

その際の仕入れは2パターン。

1反 (約50m) を仕入れて日本国内に保管しておくパターンと、着分 (スーツであれば3.2m程度)を都度海外から取り寄せるパターンです。

この2つを比べた時、前者の方が都度送料がかからない分、生地の値段は安く提供できます。しかし仕入れる側には在庫として余る可能性があるため、無地のネイビーとかチャコールグレー等、多くの方が手に取りやすい生地は仕入れをしやすいのですが、拘りが強い生地は選ぶ方も限られてくるためリスクが高くなります。

1反での仕入れリスクが高い後者の“拘りの生地”というものは1反ではなく着分での仕入れのため、値段が割高になるという理屈になります。割高にはなりますが、拘った希少な生地でスーツやジャケットを作りたいというお客様は当店では結構多いのです (笑) 。

そんなMOONの拘りの生地を一部ですがご紹介していきます。

BLACER STRIPE (ブレザー ストライプ)

目付410g ウール60%、コットン40%。伝統的な配色をもとに、ユニークな柄に仕上げたブレザーストライプコレクションです。ネイビーにイエローの配色や他であまり見る事のない超ワイドピッチのボールドストライプ等、一際目立つ生地がラインナップされています。パンツでのお仕立ても可能です。

COUTURE TWEED (クチュールツィード)

シャネルツィードを思わせる綺麗なツィードが並びます。ラメ入りのツィードで美しい女性物のジャケットを仕立てる事ができます。メタルボタンといった重厚なボタンの相性が良さそうです。

HERITAGE (ヘリテージ)

目付970gという、現代ではありえないヘビーウェイトのウール素材が収録されているのがヘリテージ。よくあるコート生地が500gくらいなので約2倍 (笑) 。『昔のコート生地はこうだった』そう語りかけて着そうな拘り生地です。

いかがでしたでしょうか。

拘りが強いからこそ流通がほとんどしないMOONの生地コレクション。割高でも欲しくなるそんな拘り生地ですので是非チェックしてみてください。