王室御用達の最上級生地ブランド、HARDY MINNIS (ハーディー・ミニス)
世界各国多数のスーツ生地ブランドはあれど、エリザベス女王から認められた証、ロイヤルワラント(英国王室御用達)を保有しているのはHARDY MINNIS (ハーディー・ミニス) のみ。
スーツのメッカ、英国サヴィルロウに店を構えるテーラーでは必ずと言っていいほどハーディー・ミニスの生地見本帳が並びます。実力派のテーラーがスーツを作る上では欠かせないのがこのブランドです。
そんなハーディー・ミニスを本日は深堀していきます。
HARDY MINNIS (ハーディー・ミニス)の歴史
HARDY MINNIS (ハーディー・ミニス)は、ロイヤルワラントを保持していたミル (織元ブランド) のJohn G Hardyと、国内にサヴィルロウの生地を始めて卸したとしている実力派マーチャント (商社ブランド) のJ&J Minnisの2社が合併することにより設立されました。
John G Hardyは1930年に英国王室にツイードを供給しています。紳士服、クラシック業界において最大の洒落者の一人、エドワード8世 (ウィンザー公)が愛したグレンチェック、プリンスオブウェールズチェックもJohn G Hardyが作りました。J&J Minnisは世界最古のマーチャント会社の一つで、長きにわたり世界中のテーラーと信頼を築いてきました。
John G Hardyは1890年、J&J Minnisは1874年に創業とどちらも長い歴史をもっています。超実力派の2つが合わさった現在においてもエリザベス女王からのロイヤルワラントを保有しており、歴史に裏打ちされた安定した最高級の生地が魅力です。
現在はハダースフィールド・ファインウーステッドグループに属しており、自国の英国、サヴィルロウのテーラーはもとより、イタリアで最も有名なテーラーであるルビナッチも愛用しています。
HARDY MINNIS (ハーディー・ミニス)のコレクション
ハーディー・ミニスのコレクションは多岐にわたります。
・ALAZAR XII
・BAMBOO II
・BASH!!
・BEDLAM
・CHELSEA III
・CLASSIC II
・English Coatings
・ESKDALE Trousers
・FLANNEL
・FLASH
・FLASH Vol.2
・FLASH Vol.3
・FRESCO III
・FRESCO SELECT
・GENESIS
・HARRIS TWEED
・Irish Linen/Seersucker/Quest Cotton
・ITALIAN COATINGS
・PORTOFINO XI
・RUGBY SHIRTINGS II
・QX2
・QZ2
・SNOWFLAKE XII
・SPREZZATURA
・SUPER BLACK (105808)
・SUPER GABARDINE
・SOLID TEXTURED JACKETS
・WORSTED ALSPORT II
、、、中々のコレクション数。全てを小さなテーラーである当店ですることは難しいので、すべてのコレクションをチェックしたうえで今すべきコレクション4つを厳選しました。
下線を引いている、FRESCO III、QX2、QZ2、SUPER GABARDIN の4つ。それぞれご紹介していきますね。
FRESCO III
【ブランド側からのコレクション説明】
『FRESCO LITE』是非、好いとこ取りのFRESCO®の進化系、FRESCO LITEを楽しんでみてください。36色の構成。280gの目付のフレスコライトはオリジナルフレスコと同様なシワになりにくい特性をオリジナルフレスコより軽量で、スムースな風合いを備えたまさに進化系です。
Made in ハダースフィールドで、英国ハーディー・ミニスだけのフレスコライトは本当にユニークです。フレスコライトのために作ったオリジナル糸を経横双糸使いし、強い撚りをかけます。仕上げ工程においても耐皺性を高めるためのビスポークな手法をとっています。経糸に黒糸を使用したり、クロスダイ、メランジMIX、反染とクラシックから、ファッション性の高いものまでカバーしています。
『ORIGINAL FRESCO』クラシック好きの方々にご提供したいのが、1907年に英国内で特許をとったオリジナルのFRESCO®。310gのFRESCO MOHAIR、2PLY FRESCO、3PLY FRESCOと伝統的な構成はそのままです。
QX2
【ブランド側からのコレクション説明】
『52/2 warp & weft (16miclon)』OX2はクラシックスーティングのアップデートバージョンで、画期的なOXクオリティの次世代コレクションです。
平織りで仕上げられたOX2は、Super150's (16.0ミクロン)の原毛を贅沢に使い、合えて太番に紡績した52番手双糸を経横に使用し、より打ち込みを改良しています。これによりボリューム感のあるボディを実現させ、仕立て映えさせることに成功しています。
また、この太番のSuper150's素材の良さを引き立てる為に、ハーディー・ミニスだけの仕上げ工程を開発し、ハリのあるボディ感を出しながらもソフトでクールなタッチ、ドレープ感を実現しています。これは英国伝統的な設備・リソースとスペシャリストな技術の革新的な組み合わせによるもので、仕上げ工程には一切化学薬品を使用せずにナチュラルに仕上げます。この工程もハーディー・ミニスオリジナルものです。
このユニークな生地はオールシーズンの素材として新たなる基準となると確信しています。ハーディー・ミニスはOX2をご提供できる喜びを感じています。仕立てられたスーツはワードローブに仕舞い込まれないと確信しています。
QZ2
【ブランド側からのコレクション説明】
QZ2は本当にユニークな生地なのです、テキスタイルの専門家、プロフェッショナルは口を揃えてこう言うでしょう。「こんな目付のある生地にわざわざ16ミクロン (Super150's) の希少な細い原毛を使うなんてナンセンス」
とにかく、誰も作らない・誰も作れない生地のクリエイトにも心血注ぎ幾度のトライアルを重ねてやっと完成したのがOZ2です。テーラーでの縫製がし易く、多少着用が荒っぽくてもくたびれない、にもかかわらず、抜群のしなやかな風合いを備えたラグジュアリーな生地を実現したのです。52番手は別名サヴィルロウ番手と呼ばれるしっかり目の生地を織るための太めの糸です。
QZよりQZ2になるにあたって、新しいストーリーがあります。同じ糸でウーステッドフランネルバージョンが追加されたことです。ウール生産にベストな環境であるハダースフィールドに流れる川からの水によりフィニッシュされる梳毛の起毛 (フランネル) です。これは紡毛糸によるフランネルより軽量で、パーフェクトな2×2ツイル組織の英国製フランネルです。
意匠糸も含め、デザイン、色柄はファッション的に大袈裟にならない程度に味付けをして工夫してみました。もちろん、洗練された英国らしいクラシックなウィンドウペン、シャークスキン、バーズアイ、ペンストライプ、ヘリンボーン、ポップサック等のバリエーションを忘れてはいけません。
SUPER GABARDIN
【ブランド側からのコレクション説明】
GABARDINE (ギャバジン)は打ち込みが強くやや目の立ったタフなファブリック。トラウザーズにもスーツにも使えるファンタスティックな生地です。レガシーといえる12オンス (370g) のバリエーションは数十年にわたり重要なコレクションであり続けています。
アーカイブの中見つけられた1970年代のオリジナル番地のカラーをダイレクトに復刻した幅広いカラーバリエーションによって構成されています。世界に知られた伝統の技術を身に付けたクラフトマンたちの手で織られた英国織物の聖地ハダースフィールドのスーパーギャバジンです。
ハーディー・ミニスらしさにこだわりました
ハーディー・ミニスの良さって、伝統に裏打ちされた確かなクオリティとユニークさだと感じています。
例えばOZ2。普通Super150'sなんて細繊維のものなら細番手の糸にして光沢感を前面にだしたいところ、サヴィルロウ番手と呼ばれる52番手で織ってしまう。普通の生地屋からするとクレイジーなんですが、それがとても面白い風合いになっています。
他3つのコレクションもこのブランドの良さが存分に詰め込まれているので、生地を見ていてストーリーを想像することができます。そんなワクワクするハーディー・ミニスを是非店頭でもご覧になってください。伊達にロイヤルワラントを保有していません。
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