デニムスーツに使用している岡山児島デニムについて
デニムというカジュアル素材とはいえ、スーツに使うからこそ拘ったものをと、当店は岡山児島のデニム素材を使用しています。
この岡山デニムは児島特有のインディゴロープ染色という染め方を取り入れています。これは糸を決まった本数にまとめてロープ状にし、それをインディゴ染料に何度もくぐらせ染めていくのですが、糸の中心は染まらず白いままで染め上げます。その染まった糸を経糸に使用して織り上げたものは、長期間の使用により染まっていない白い部分が表にでてきます。これが所謂”あたり”と呼ばれ、膝などがうっすらと白くなっていきます。経年変化と呼ばれ自分だけのあたりを付けていけるのがデニムの魅力です。
更にそのような糸を旧式のシャトル織機で織り上げた所謂セルビッチデニム、セルビッチシャンブレーも根強い人気があります。昔はシャトル織機が主流として使用されていましたが、だんだんと機械の進歩にともない、高速で織れるレピやエアージェットといった効率的な機械にとって変わられていきます。
しかしながら古着などのヴィンテージ素材が再注目されるようになり、シャトル機が織り上げる風合いを求める人も一定数でてまいりました。世界的にみてもほぼ日本にしかないシャトル織機は貴重で、しかもフル稼働しても一日1反(50m)ほどしか生産できません。
だからこそ、イタリアやパリのラグジュアリーブランドがこぞって岡山児島のデニムを支持しているのも頷けます。世界一ともいえる岡山デニムを使用した、経年変化をするデニムスーツを是非チェックしてみてください。
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