【LUXURY & RELAX JERSEY】上品なニットジャケットが作れる “ジャージー生地” バンチ
洋服の世界では、違う名前であっても同じものを指すことが往々にしてあります。
例えば、ジャージー。スポーツをするときに着用する洋服を指すことがあれば、編み地を指すこともあります。ニットも同様に、冬に着用するセーターを指すこともあれば、編み地を指すこともあるという、分かりにくさは洋服の世界あるあるでございます。
当ブログでジャージーやニットという文言を使えば、そのほとんどは編み地のことを指しており、本日はそんなジャージーやニット生地での洋服づくりが楽しくなるバンチのご紹介です。
さて、生地は大きく分けて“織り”、“編み”の2つの製法で作られます。
織りで作られるのは布帛、編みで作られるのはニット (ジャージー) です。
それぞれに優位性がありまして、ニットの強みは伸縮性の高さと、柔らかいクラフト感のある表情です。特に前者の伸縮性の有意差により、近年オーダーをいただく件数が伸びてきております。ニット素材の進化も著しく、高級感のある見た目のものも登場し、スポーティでありながら上品な洋服を作ることが出来ます。
しかし、難しさがあることも忘れてはいけません。
一番は仕立てのやり難さ。もともとニットは布帛よりも伸びやすく安定しにくいため、2枚の布を接ぐという縫製が難しいです。
仮に布帛であったとしても湿気や縫製の違いで全体で0.5~1cm出てしまうのは許容範囲です。例えばジャケットの場合、前身頃・脇身頃・後身頃を左右6枚の布で0.05cmずつ縫い違えれば、それだけで全体で0.3cmサイズが変わりますし、これに湿気やアイロンワークが加わり数字が動く場合もあります。
日本の厳しい規格においても、高級スーツ工房とはいえ布帛ジャケットのバストの縫製誤差許容は一般に1cm。既製品も同様に誤差があります。伸びるニットは余計に難しいのです。
そんな難しいニット素材も、是非当店にお任せください。もしバストで1cmの誤差が出たとしても許容いただきたいところではありますが、それを差し置いても見栄えのする格好良いニットジャケットをご提供いたします。
この“LUXURY & RELAX JERSEY” バンチは、ロロピアーナ、ドンディ、ヴィターレバルベリスカノニコの3ブランドで構成され、それぞれ特徴あるジャージー生地が収録されています。このバンチからは、名前の通りラグジュアリーで、リラックス感のある大人の男性にお勧めしたい素晴らしい生地を見つけることが出来ます。
LORO PIANA
前半にはSuper170'sの極細ウールとカシミヤがブレンドされたソリッドのコレクション。品のある色合いも魅力的です。
DONDI JERSEY
ゼニアグループ傘下の高級ニットの代名詞、ドンディのコレクション。ウールにコットンがブレンドされ、パンツでもご利用いただける生地で、セットアップとしてもお勧めです。
VITALE BARBERIS CANONICO
落ち着いたトーンで布帛のフランネルに見間違えるかのような質感が流石はカノニコでございます。セットアップで着用して、タートルネックのニット・スニーカーで合わせても軽やかに見え素敵だと思います。
いかがでしたでしょうか。
ファーストクラスと銘打たれたリッチな質感のニット生地コレクションでした。上質で柔らかいイメージのセットアップやジャケットをお考えの方は、本バンチを是非一度ご覧いただければ幸いです。
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