FOX BROTHERS (フォックスブラザーズ) 平織りの質感の良さを実感させる“FOX CITY”
野球界のキツネといえば、北海道日本ハムファイターズのあの歌とダンスですよね。YOUTUBEで一度見るとアルゴリズムからか何度も勧められるというのもあって、コンコンコンコンにすっかりハマってしまっている店主でございます。
そしてスーツ業界のキツネといえば、、、
そうです、フォックスブラザーズでございます (笑) 。
当店でもファンの多いブランドであり、毎シーズン素晴らしいコレクションを展開しています。特に現在は250周年を祝うかたちで特別なシリーズが次々と発表されており、この秋冬シーズンも期待を裏切らない生地が入荷してきます。アッパーな生地のお値段ですが、その価値を十分に感じていただけるものとなっておりますので是非お楽しみになさってください。
そして、本日ご紹介する私物のスーツも、フォックスブラザーズのスーツ生地を使用したお気に入りな一着です。
FOX BROTHERS (フォックスブラザーズ) “FOX CITY”
FOX CITY (フォックス シティ) は、フォックスブラザーズがスーツからジャケット、パンツにと幅広くお使い頂けるコレクションです。平織りで290~320gとしっかりした目付が特徴です。英国では目付がしっかりとしていても平織りであれば春夏服地扱いされますが、湿度の高い日本の熱い夏にこの目付はやや分厚いかもしれません。裏を返すと春秋に活躍する生地といえます。
同じ英国生地のハリソンズに、平織り目付300gのフロンティアという似たクオリティの生地があります。
お客様にはよく比較検討していただきまして、この2つの違いとして一つ大きく挙げられるのが色味。フロンティアの方は色味がクリアでパキッとしていますが、フォックスシティは若干、杢が入り落ち着いたトーンの色味になります。
また、フォックスシティは柄のバリエーションが少ない分、カラーバリエーションが非常に多く、ニュアンスカラーも豊富にあるため、スポーティなスタイルを作る上で非常に使い勝手の良いバンチです。
小さなハウンドトゥース柄で、色味は若干青みが買った深いグレーの生地。ハウンドトゥースだけでも7色収録されていて、選ぶ色で印象が大きく変わってくるため生地選びが楽しくなりそうです。今回のモデルもナポリモデルで仕上げています。
この生地の良さは、袖を通すとさらに引き出されているように思います。
しなやかさのある生地はアイロンが効きやすく、クセ処理が取れにくいため仕立てがしやすく、所謂仕立て映えいたします。
フォックスブラザーズのことがさらに好きになるシリーズ、フォックスシティ。またこの生地で洋服を仕立ててみたいと思わせてくれる良生地です。
生地選びのご参考になりましたら幸いです。
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